「チャイナ・ミラン誕生」の報道に警報。取引完了まで予断を許さない…

カテゴリ:メガクラブ

片野道郎

2016年08月06日

移り気なベルルスコーニの性格を考えると…。

クラブ買収は強化部門などがテコ入れされる可能性が大きく、本田圭佑を含む選手たちの去就にも影響する。チーム作りを円滑に進めるためには、早期に決めたいところだが……。REUTERS/AFLO

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 このシノ-ヨーロッパを代表しているのはハン・リー、ヨンホン・リーというふたりの中国人投資家で、グループには福建省の省都である福州に本拠を置く国営投資企業『ハイシャ・キャピタル・マネジメント』のほか、複数の国営大手企業が参加していると伝えられる。
 
 一部報道によれば、このシノ-ヨーロッパは元々、ガラティオートの投資家グループに名を連ねていたが、7月に入って内部で意見の相違が表面化。元々のグループからスピンアウトして独自に交渉を進め、今回の合意に至ったとも伝えられている。いずれにしても、この投資家グループを構成する企業など詳細については、まだ明らかにされていない点が多い。
 
 現時点で明らかなのは公式リリースにあるように、このグループがミランの発行済株式の99.93%を7億4000万ユーロ(約888億円)で買収し(支払いは3年分割)、さらにクラブの財務強化のために3年間で3億5000万ユーロ(約420億円)を投下するという条件を含む仮契約を交わしたということだけだ。
 
 ただし、注意しなければならないのは、これがまだ単なる「仮契約」に過ぎないこと。ベルルスコーニとフィニンベストは昨年6月5日に、前述したミスターBと株式48%を4億8000万ユーロ(約576億円)で売却することで合意に達したと発表しながら、最終的に売却手続きが完遂されることはなかった。
 
 極めて移り気なベルルスコーニの性格を考えれば、今回も同じ結果に終わる可能性が消えたわけではまったくない。株式譲渡が正式に決定して本契約が交わされ、具体的な手続きが動き出すまで(正確には終了するまで)は、1年前と同じようなどんでん返しが起こらないとは限らないのだ。
 
 現時点ではまだ買収相手の正体すらも明らかになっていない状況であり、今後の推移を見守る必要がある。
 
文:片野道郎
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