• トップ
  • ニュース一覧
  • 金田喜稔がアメリカ戦を斬る!「どうやって相手を崩すのか。チーム全体の共通理解がなければ苦戦を強いられることになる」

金田喜稔がアメリカ戦を斬る!「どうやって相手を崩すのか。チーム全体の共通理解がなければ苦戦を強いられることになる」

カテゴリ:連載・コラム

サッカーダイジェストWeb編集部

2025年09月10日

約束事がないから、攻撃が単発で終わってしまう

森保監督らスタッフ陣は、もっと細かく攻撃を指導してもいいのではないかな。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/現地特派)

画像を見る

 たとえば、ディフェンスラインでボールを回している時、誰かが受けに下がる。その時、次にどこが動き出すのか。前の選手がどう動き、それによって生まれたスペースに誰が入っていくのか。そうしたイメージが共有できていない。

 ボールを回しているように見えても、結局は2人だけの関係で攻撃が終わってしまっている。そうではなく、3人目、4人目が連動し、「今、動いたから、できたスペースに誰かが入ってくる」という共通理解があれば、チーム全体に安心感が生まれる。そうした約束事がないから、攻撃が単発で終わってしまうのだ。

 誰かがボールを受けた時、どこを見て、誰が動き出すのか。その動き出しによって生まれたスペースを、3人目がどう使うのか。中央をコンビネーションで崩し、フィニッシュまで持ち込む。そういった具体的な攻撃のイメージを、チーム全体で共有できている姿を見せてほしい。

 守備の良さを徹底的に引き出すためにも、できるだけボールを相手陣地に置く時間を長くしたい。そのためには、攻撃のバリエーションと共通理解が不可欠だ。森保監督、名波コーチ、前田コーチは、もっと細かな攻撃の指導をしてもいいのではないか。
 
 もちろん、今回の試合はワールドカップ本番ではない。開催国で2試合できたこと、過酷な長距離移動を体感できたのは意味がある。

 また選手層を厚くするためにターンオーバーを試したのは、収穫だったとは思う。メキシコ戦に出た選手たちが、中2日でも先発できたはず。ただワールドカップでベスト8への壁を越え、さらに先へ進むためには、選手層の底上げは不可欠だ。

 森保監督としては、新たな選手にチャンスを与え、探っていかなければならない。ゲーム内容に批判が出るのは、覚悟の上だったはず。その勇気は称えたい。今回の経験を、選手たちがそれぞれ所属クラブに持ち帰り、何を課題として取り組んでいくか。それが重要になる。

 10月にはパラグアイ、ブラジルという強豪との対戦が控えている。そこで見たいのは、「分かったうえで繋いでいるな」「分かったうえで動き出しが始まっているな」と感じられるような、共通理解に基づいた攻撃の形だ。その積み上げに期待しているよ。

【著者プロフィール】
金田喜稔(かねだ・のぶとし)/1958年2月16日生まれ、67歳。広島県出身。現役時代はドリブルの名手として知られ、中央大在学中の1977年6月の韓国戦で日本代表デビューを飾り、代表初ゴールも記録。『19歳119日』で記録したこのゴールは、現在もなお破られていない歴代最年少得点である。その後は日産自動車(現・横浜FM)でプレーし、1991年に現役を引退。Jリーグ開幕以降はサッカーコメンテーター、解説者として活躍している。

【記事】「過大評価だった」「大迫がいなければ0-5の試合」スタメン総入れ替えでアメリカに完敗…森保ジャパンにファンの不満噴出「攻撃も守備も個人任せ」「なんのためのテストマッチ?」

【画像】日本代表のアメリカ戦出場17選手&監督の採点を一挙紹介! 先発10人が及第点未満の厳しい評価。最高点は好守を連発した12番

【画像】長澤まさみ、広瀬すず、今田美桜らを抑えての1位は?「Jリーガーが好きな女性タレントランキング」TOP20を一挙紹介
【関連記事】
【画像】日本代表のアメリカ戦出場17選手&監督の採点を一挙紹介! 先発10人が及第点未満の厳しい評価。最高点は好守を連発した12番
「過大評価だった」「大迫がいなければ0-5の試合」スタメン総入れ替えでアメリカに完敗…森保ジャパンにファンの不満噴出「攻撃も守備も個人任せ」「なんのためのテストマッチ?」
【セルジオ越後】この3年間、日本は何をしてきたのか…。アメリカ戦は完敗。正直、“W杯優勝”を口にできる段階じゃないよ
どうやって先発を決めた? 現地記者の質問に森保監督が明かしたビジョン「W杯で最強、最高のチームを作る」ために若手を抜擢
【画像】長澤まさみ、広瀬すず、今田美桜らを抑えての1位は? サカダイ選手名鑑で集計!「Jリーガーが好きな女性タレントランキング」TOP20を一挙紹介

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト 2025年10月号
    9月10日(水)発売
    [注目クラブを総力特集!!]
    京都サンガF.C.2025
    大躍進の秘密を徹底解剖
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 2025年9月4日・9月18日合併号
    8月21日(木)発売
    プレミアリーグ展望&ガイド 詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 完全保存版
    1月17日発売
    第103回全国高校サッカー選手権
    決戦速報号
    前橋育英が7年ぶりの戴冠
    全47試合&活躍選手を詳報!
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ