手応えを感じつつも、「このままではいけない」という強烈な危機感を覚えている。東山高でホットラインを組んでいたMF阪田澪哉は、高卒プロでC大阪に入り、１年目から出番を掴むと、３年目の今季はここまでJ１リーグで18試合に出場。今はベンチスタートが続いているが、プロの世界で奮闘している。

　またC大阪U-15時代にチームメイトだったMF北野颯太は、C大阪の中心選手になってから、今年６月にザルツブルクに完全移籍して世界に羽ばたいて行った。

「澪哉とはあまりサッカーの話をしないで、日常のよく分からない話ばかりしています（笑）。でも、近くなのでセレッソの試合をよく観に行くのですが、ヨドコウのピンクに染まったスタジアムで澪哉がプレーしている姿を見ると、いつも『俺も頑張らないといけない』と奮起します。颯太も海外に行く時に『頑張れ』とエールを送ったのですが、僕もいずれかはそうなりたいので、大きな刺激になっています」

　さらに関西大で同級生の桑原の磐田入りも決まり、新たな刺激を受けた。

「悔しいじゃないですけど、僕ももっとアピールしないといけないし、結果を残さないといけない。そういう意味では今、戦っている総理大臣杯が重要になります。去年、同じ関西の阪南大が優勝して、その後の話を聞くと、この大会で目に留まって、練習参加やオファーをもらったという話を複数聞いていたので、僕もこの大会は人生を変えられるくらいの大会だと思っています」
 

　真田もすでにJ２クラブの練習に参加している。ただ、進路選択の幅と自分の可能性を広げるために、この大会をターニングポイントにしようとする強い意志が、桐蔭横浜大戦の２ゴールという結果に繋がったのだった。

　次の相手は、昨年の総理大臣杯準優勝、そしてインカレも準優勝だった新潟医療福祉大学。悲願の全国制覇を目標に、流通経済大、筑波大の関東２校を撃破してきた難敵だ。

「僕はピッチ上ではかなり感情が剥き出しになるタイプ。僕も準優勝はあるけど、全国優勝をしたことがないので、チームの日本一という目標に対し、僕のアシストやゴールで勝たせられるような選手になって絶対に優勝したいです」

　闘争心は燃え盛っている。真田は自らの存在意義の証明と共に、チームの勝利のために、積み上げてきた技術をピッチ上で最大限に発揮する。

取材・文●安藤隆人（サッカージャーナリスト）

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