濃密な遠征だった。なかでも佐藤が痛感したのは、駆け引きの面だった。日本人とはフィジカルや身体操作が異なることは分かっていた。予期せぬタイミングでシュートを打ってくることもイメージはできていた。だが、その一方で、自分を見てギリギリまで駆け引きを仕掛けてくる選手の多さは、想像以上だった。
「相手は僕の力が入る瞬間を見てきました。それを意識してしまって、逆に力が入ってしまうこともありました。そのなかでも我慢強く、隙を見せないように耐えながら、相手の駆け引きを上回れたシーンもあったのは自信になりましたが、一番の驚きはフォワードだけではなく、どのポジションの選手もそれを仕掛けてくることです。
特にフィオレンティーナの右サイドバックのドド選手は、1対1になった時にものすごく見てきて、どっちに打ってくるのか、かなり悩みました。セーブはできたのですが、サイドバックの選手とは思えない駆け引きのクオリティでした」
大きな刺激を得て、筑波大に戻ってきた佐藤は、トレーニングの中でいつもと変わらぬ姿勢と意識に加え、駆け引きの部分で、局面だけではなく、全体の試合の流れを掴みながらプレーしていくというフェーズに入っていた。
「試合を読む力が重要だと痛感しました」
「シュートストップやセービングの精度は自信がついたので、これからも継続あるのみですが、相手の状況を見てプレーすることや、チームが今、どういう状況で、どうしないといけないかという試合を読む力は、まだまだ足りないと感じました。
特にキャッチしたり、自分の足もとにボールが来た時に、相手のプレー強度が90分を通して高いと、(自分が)何本も蹴ってしまったら味方は疲れてしまうし、攻め込まれている時に何度もリスタートをしたら、味方が混乱してしまう。そのリズムチェンジなどもゴールキーパーには必要で、そういうプレーをするためにも試合を読む力が重要だと痛感しました」
まだまだ伸びる要素はいくらでもある。大学ナンバーワンGKはさらなる高みを目ざして、日常からこだわりを持って突き詰めていく。
取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)
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