繰り返しになるが、三笘としてはブライトンでプレーを続けていく意向である。

　だが移籍市場というのは、何が起こるのか本当に分からない。実際、昨季にブレイクしてビッグクラブから熱視線が注がれているMFのカルロス・バレバに対し、開幕目前のタイミングになって「マンチェスター・ユナイテッドが１億ポンドで獲得に動く方針」と報じられた。

　当初ブライトンは21歳MFの売却に難色を示していたが、移籍金を1億1500万ポンド強に設定したとされている。超高額の移籍金に、売却を認める可能性が高まっている。これまでバレバについて具体的な移籍話はなく、来夏移籍の可能性が高いとされていた。バレバのケースのように「買い手」と「売り手」、「選手の意向」が一致すれば、一気に進展していくのがこの移籍市場だ。

　今回、三笘から話を聞いて感じたのは、必ずしも「ブライトン残留」の一本で心を固めているわけではないこと。移籍市場の閉幕まであと３週間──。クラブ広報も番記者も「三笘はもう１年、ブライトンでプレーしそうに見える」と口を揃えているが、果たしてどのように進展していくか、注意深く見守っていく必要はありそうだ。
 

　ブライトンでは、昨シーズンのスカッドからFWジョアン・ペドロ（→チェルシー）とDFペルビス・エストゥピニャン（→ミラン）、FWシモン・アディングラ（→サンダーランド）の３人が新天地を求めた。この移籍組に、新たにバレバが加わりそうだ。

　チームの顔ぶれが変わるなかで、三笘は「チーム内の競争はもちろん激しいです。若い選手が多く、自分も負けられないところもあります。先発メンバーの11人に入れるようにしっかりやっていかないと。数字（結果）を求められているので、そこは昨シーズン以上のところはやっていきたいなと思います」と気を引き締めている。目ざすは、昨季の国内リーグ10ゴールを上回る成績だ。

　不確定要素の多かったプレシーズン期間を経て、三笘のプレミア挑戦４年目がいよいよ幕を開ける。

取材・文●田嶋コウスケ

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