3戦勝利なしのG大阪。柏戦の敗北のなかで見えた〝戦術アデミウソン″という光明

カテゴリ:Jリーグ

多田哲平(サッカーダイジェスト)

2016年07月24日

アデミウソンを生かし、浮上のきっかけを掴めるか。長谷川監督の手腕の見せ所だ。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 指揮官は柏戦での先発起用の理由をこう語る。
 
「ボールが非常に落ち着くところです。前線で起点になりますし、周りを使うのも非常に巧いので、彼がトップに入るとそういう特長を生かすサッカーがやれるんじゃないかなと。パトリックはまた違う特長を持った選手ですが、レイソルはコンパクトに戦ってくるというのは分かっていたので、パトが裏に一発に抜け出しても、オフサイドになるのが関の山だと思いました。その分アデミウソンの方が手前で受ける能力であったりとか、2列目の選手をうまく生かす能力に長けてる選手だと思いましたので、今日はアデミウソンをチョイスしました」
 
 たしかに、G大阪の攻撃はアデミウソンがボールを受けることから始まっていた。前線でボールを受けると、懐の深いボールキープとキレ味鋭いドリブルを交えながら、攻撃のリズムを作った。またポストワークでも貢献。テンポの良いパスワークの起点となり、2列目の遠藤、大森、阿部と〝生かし、生かされ″の関係を築いた。そのなかで1点目のヘディングや、右サイドを崩して相手のミスを誘った突破などゴールに向かう姿勢は迫力があり、終盤に長沢とパトリックを前線に置いた、単調なパワープレーよりも怖さがあった。
 
 「良い守備が良い攻撃を生む」とはよく言うが、その逆も然りだ。主導権を握った前半15分過ぎは、やはりボールを保持する余裕からかチームの守備は安定していた。それだけに後半にアデミウソンがトーンダウンしたのが悔やまれる。
 
 ただ、アデミウソンが戦術の核となり得る光明を見せたことは事実だ。宇佐美というエースを放出したG大阪にとって、このブラジル人アタッカーの奮起は浮上の鍵となるかもしれない。チームに立ち込める暗雲を振り払うには、〝戦術アデミウソン″を極めるのもひとつの手だ。
 
取材・文:多田哲平(サッカーダイジェストWEB編集部)
 

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