出場時間という点では、ジャーメインは直近のファジアーノ岡山戦で54分までプレーしたことで、垣田や鹿島アントラーズ戦でフル出場の山田よりも余裕がある。加えて言うと、彼は昨季までジュビロ磐田で横内昭展監督（現・山形）に師事。同監督は森保ジャパンでコーチを務めた経験もあるだけに、ジャーメインの代表への適応がスムーズに進むと期待されるのだ。

「前線でターゲットになる仕事は、横内さんがジュビロの監督になってからずっと取り組んでいたところ。基本的に求められていることは（代表でも）一緒かなと思います。僕は点だけ取れればいいとは思っていないので、内容のところにこだわって、チームに求められる仕事をしつつ、目に見える結果を出せるように頑張っていきたい」と、７日の練習後にも目を輝かせていた。

　その落ち着きぶりを見ると、初戦での先発もないとは言い切れない状況だ。ジャーメインがピッチに立った場合には、どこまで自分を出しながら、チーム戦術を遂行できるかを見極めていきたいところだ。

　山田に関しては、前述の通り、直近の鹿島戦でフル出場していることもあって、出番は次戦以降になる可能性が高そうだ。本人は昨季のJ１で19ゴールという実績には自信を持っているものの、今季はまだ２点。数多くの決定機を仕留め切れず、メンタル的に少し不安定なところも垣間見える。そこはやや気がかりな点だ。
 

　それでも、鹿島戦後にかつての恩師・鬼木達監督の激励を受け、思い切ってチャレンジしようという強気のマインドになったという。

「海外の選手を相手に個で違いを出さないといけないと思うし、起点になるプレーは求められるので、そこをやりつつ、ゴールを強く意識して取り組んでいきたい」と本人も語ったが、まずは代表への適応を進めていくことが第一関門ではないか。

　その山田にしても、垣田やジャーメイン、細谷にしても、与えられた時間で強烈なインパクトを残さなければ、コアメンバー昇格の道は開けてこない。一つひとつの戦いが“最終テスト”というくらいの覚悟を持って取り組むことが肝要だ。凄まじい闘争心と向上心を森保監督に焼き付けてほしいものである。

取材・文●元川悦子（フリーライター）

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