「あとはゴールだけ……(さいたま)ダービーでは決めます」
最後は36分にシュートをゴールバーに当てたものだ。右サイドから上がった奥井諒のクロスに向かってニアサイドに飛び込む。これは不発だったが、こぼれ球を横山が回収したのを見るや、むやみに下がらず、オフサイドぎりぎりのポジションに留まった。
「上手くG大阪の最終ラインを確認できた。後ろにDFがいないのは分かっていたし、パスをもらうつもりで待っていた。もちろん横さん(横山知伸)がシュートを打っても詰められる位置に、という考えもあった」
ペナルティエリア外、やや右でボールを持った横山がシュートモーションに入る。G大阪のDF陣はシュートブロックに入ろうとしたのか、あるいはGKやDFに当たった後のセカンドボールを奪取しようとしたのか、ラインを上げなかった。それも清水には分かっていた。
「横さんがシュートを打つと思ったんでしょうね。ブロックに入るつもりだったのか、ラインを上げるのが遅かった。そこを突いていきました」
シュートフェイントのような形で、横山からゴール前でフリーだった清水へとふわりとしたラストパスが通る。胸トラップ。そして、右足でしっかりとインパクト。感触は良かったが、無情にもボールはバーを叩いて、外へと撥ねた。
「トラップは完璧。良い位置にボールを置けたし、シュートのインパクトも良かった。(それでもバーに阻まれたのは)持ってなかったのかな。フィニッシュの精度を改善しないと」
この日の清水のパフォーマンスは、決して悪くなかった。むしろ、大宮のなかでは一番の出来だったと言っていいだろう。68分にマテウスからのロングパスを左サイドに流れながら受け、縦へと加速すると、左足でグラウンダーのクロス。N・ペチュニクの決定機を生み出している。
好調を維持している。大宮側に生まれたチャンス、そのほとんどに絡んだ。しかし、「FWらしくありたい」男は満足しない。シュートは2本。得点を奪えなかった。なにより、チームを勝利に導けなかった。
取材対応の最後に清水がこぼした。「あとはゴールだけ……」。それが、どれほど難しいことなのか、本人は十分に理解しているはずだ。だからこそ、次節の“さいたまダービー”で得点を奪うことに意義がある。はっきりと「ダービーでは決めます」と口にして、清水はスタジアムを後にした。
取材・文:古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)
「上手くG大阪の最終ラインを確認できた。後ろにDFがいないのは分かっていたし、パスをもらうつもりで待っていた。もちろん横さん(横山知伸)がシュートを打っても詰められる位置に、という考えもあった」
ペナルティエリア外、やや右でボールを持った横山がシュートモーションに入る。G大阪のDF陣はシュートブロックに入ろうとしたのか、あるいはGKやDFに当たった後のセカンドボールを奪取しようとしたのか、ラインを上げなかった。それも清水には分かっていた。
「横さんがシュートを打つと思ったんでしょうね。ブロックに入るつもりだったのか、ラインを上げるのが遅かった。そこを突いていきました」
シュートフェイントのような形で、横山からゴール前でフリーだった清水へとふわりとしたラストパスが通る。胸トラップ。そして、右足でしっかりとインパクト。感触は良かったが、無情にもボールはバーを叩いて、外へと撥ねた。
「トラップは完璧。良い位置にボールを置けたし、シュートのインパクトも良かった。(それでもバーに阻まれたのは)持ってなかったのかな。フィニッシュの精度を改善しないと」
この日の清水のパフォーマンスは、決して悪くなかった。むしろ、大宮のなかでは一番の出来だったと言っていいだろう。68分にマテウスからのロングパスを左サイドに流れながら受け、縦へと加速すると、左足でグラウンダーのクロス。N・ペチュニクの決定機を生み出している。
好調を維持している。大宮側に生まれたチャンス、そのほとんどに絡んだ。しかし、「FWらしくありたい」男は満足しない。シュートは2本。得点を奪えなかった。なにより、チームを勝利に導けなかった。
取材対応の最後に清水がこぼした。「あとはゴールだけ……」。それが、どれほど難しいことなのか、本人は十分に理解しているはずだ。だからこそ、次節の“さいたまダービー”で得点を奪うことに意義がある。はっきりと「ダービーでは決めます」と口にして、清水はスタジアムを後にした。
取材・文:古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)

7月14日発売号のサッカーダイジェストは、内田選手の巻頭インタビューを掲載。それに続く特集は、今夏の注目銘柄と題して話題の選手30人の去就動向をチェック。乾選手、酒井宏選手、植田選手のインタビューに加え、クラブダイジェストでは松本山雅、好評連載中のプロフットボーラ―の肖像では「2008年」の大谷選手を取り上げています。