そういう時に遠藤がしっかりとディフェンスラインを統率してくれれば、森保監督にとっても大助かりなはず。万が一、冨安が戻ってこられなかったケースも想定し、今、ここでトライしておいた方がメリットが大きいと言っていい。
ボランチでは、８日のトレーニングで負傷し病院に直行した熊坂光希（柏）の状態が気がかりだが、佐野海舟（マインツ）や藤田譲瑠チマ（シント＝トロイデン）、２列目兼務の鎌田大地（クリスタル・パレス）や佐野航大（NEC）と人材が潤沢なため、斬新なチャレンジに打って出てもまったく問題ない。このタイミングを逃す手はないのだ。
日本としては細心の注意を払わなければいけない
2024年11月のインドネシア戦を振り返っても、相手の鋭い抜け出しや推進力でビッグチャンスを作られている。この時は鈴木彩艶（パルマ）の好セーブに助けられ、何とか失点を免れたが、今回も同じようにうまくいくとは限らない。相手もW杯初出場のためにグループ３位に入ろうと死に物狂いで挑んでくると見られるため、やはり日本としては細心の注意を払わなければいけない。そこは肝に銘じた方がいい。
果たして森保監督はどのような決断を下すのか。オーストラリア戦のように、あえて若い面々だけで挑み、苦境を乗り切る経験をさせるという可能性もあるが、やはり遠藤の３バックでの統率力を見てみたいのも事実。ぜひとも今回、テストしてほしいものである。
取材・文●元川悦子（フリーライター）
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