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激しい肉弾戦、止まらない血。英3部の“This is the football”で「一番鍛えられたのは身体の強さ」【岩田智輝 1万字インタビュー#3】

カテゴリ:海外日本人

元川悦子

2025年06月07日

「違った文化を知ることには意味がある」

シーズンを通じボランチで躍動。リーグ制覇に大きく貢献した。(C)Getty Images

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 そんななかでも、バーミンガムは周りとは異なり、しっかりとビルドアップしていくチームだった。ゆえに、相手に削られる回数は自ずと増える。クリス・デービス監督からも「サッカーの質よりも本当にフィジカルの部分が大事になるリーグだ」と口癖のように言われたというが、VARもなく、身体と身体のぶつかり合いのなかで何ができるか、違いを示せるかが勝負だった。

「球際や局面のバトルが激しいなかでも、接触プレーで怪我をするチームメートは2~3人しかいなかった。彼らは子どもの頃からそういう経験を積み重ねているから、慣れているし、適応力があるんでしょうね。同じことを日本に取り入れようとしても難しいのは当然だと思います。ただ、そういう違った文化を知ることには意味があると感じます。

 今季の前半戦は、サガン鳥栖から移籍してきた横山歩夢(現・ヨング・ゲンク)がいましたけど、彼なんかは俊敏ですし、相手が日本より食いついてくるんで、次々とドリブルでかわしていました。速い選手は削られることなく活躍できるのかもしれないですね。彼のことは監督も『チャンピオンシップに上がったら絶対に必要だ』と言っていたけど、本人は移籍を選んだ。今季はゲンクのトップチームで活躍すると思います。僕も同じクラブに彼がいてくれたことで、すごく助けられたところはあった。感謝しています」

 短期間ではあったが、横山との共闘もプラスに働き、岩田は日本を離れてから初めてボランチに固定され、1年間フル稼働。タイトル獲得の原動力になった。これは紛れもなく貴重な経験だったと言っていい。
 
「実を言うと、ボランチでシーズン通して出たのは、プロになって初めてなんです。相手や状況によっての対処法や選択肢も増えましたし、すごく大事な時間になりましたね。

 基本布陣は4-2-3-1で、ボランチの相棒は韓国代表のペク・スンホ。マリノス時代にACLで前北現代とやった時に対戦経験があり、向こうも僕のことを覚えていて、意気投合しました。同じようなサッカー観でやってきたせいか、お互いがお互いを見ていて、理解し合える関係を築くことができました。僕らを軸にボールを持って丁寧につないでいくチームだったので、そういうサッカーを貫いて優勝できたことに意味がありました。

 自分がゴールを取れたのも、チームスタイルの成果。リーグ戦で6点、カップ戦で2点を記録しましたけど、自分が前に詰めていて、たまたまこぼれてきた形もたくさんあったし、良いコースに飛んだシュートもあった。周りのおかげで結果を残せたし、本当に良い移籍ができたなと思っています」

 カテゴリーはイングランド3部でも、得られたものは計り知れないほど大きかった。岩田智輝はようやく「欧州での自分」を確立させることができたのである。

※第3回終了(全5回)

取材・文●元川悦子(フリーライター)

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