「死ぬ前に優勝を目撃できて良かった」
サポーターの様子も忘れられない。
筆者はトロフィー授与の瞬間を見届けるため、スタジアム1階席にあるパレスのファンスタンドに足を運んだ。
トロフィー授与式が行なわれるのは、ウェンブリー・スタジアムの2階席。記者席からでは、このトロフィー授与が直接見られず、モニター越しでしか確認できない。鎌田がどんな様子なのかを知るため、スタンドに移動したのである。
スタンドに降りて気がついたのは、年配ファンの多さだった。創設165年目の歴史あるクラブだけあり、とにかく高齢の方が多い。杖をついている老人や、椅子から立ち上がるのが「やっと」という高齢のファン。テレビインタビューでは「死ぬ前に優勝を目撃できて良かった」と、涙を浮かべる年配サポーターの姿もあった。
2013年以降はプレミアリーグに定着しているパレスだが、それ以前は2部リーグが主戦場だった。たとえば、プレミアリーグが開始した1992年から2013年までの21年間で、パレスがトップリーグに在籍したのはわずか4シーズンしかない。先述したように国内主要タイトルは皆無で、経営破綻も1999年と2010年に2度経験している。
FA杯決勝の当日、クラブ会長を務めるスティーブ・パリッシュ氏は、英紙『タイムズ』に寄せた手記でこう記していた。
「この瞬間までの道のりはまさに奇跡だ。ファンの皆さんが、クラブを潰させまいと支えてくれた。我々も忍耐と誇りを持って再建に取り組み、南ロンドンのルーツを守り抜いた。
FAカップは、億万長者のクラブが支配する現代サッカー界における“希望の星”だ。パレスのような規模のクラブが、一発勝負のノックアウト方式で勝ち進める唯一の大会なのだから。
我々には、最後まで戦う選手と、信念を持ったオリバー・グラスナー監督、そして世界一の歌声を響かせるファンがいる。ならば、トロフィーを持ち帰ることもできるはずだ。さあ、パレスよ! 我々の力を世界に見せつけよう」
筆者はトロフィー授与の瞬間を見届けるため、スタジアム1階席にあるパレスのファンスタンドに足を運んだ。
トロフィー授与式が行なわれるのは、ウェンブリー・スタジアムの2階席。記者席からでは、このトロフィー授与が直接見られず、モニター越しでしか確認できない。鎌田がどんな様子なのかを知るため、スタンドに移動したのである。
スタンドに降りて気がついたのは、年配ファンの多さだった。創設165年目の歴史あるクラブだけあり、とにかく高齢の方が多い。杖をついている老人や、椅子から立ち上がるのが「やっと」という高齢のファン。テレビインタビューでは「死ぬ前に優勝を目撃できて良かった」と、涙を浮かべる年配サポーターの姿もあった。
2013年以降はプレミアリーグに定着しているパレスだが、それ以前は2部リーグが主戦場だった。たとえば、プレミアリーグが開始した1992年から2013年までの21年間で、パレスがトップリーグに在籍したのはわずか4シーズンしかない。先述したように国内主要タイトルは皆無で、経営破綻も1999年と2010年に2度経験している。
FA杯決勝の当日、クラブ会長を務めるスティーブ・パリッシュ氏は、英紙『タイムズ』に寄せた手記でこう記していた。
「この瞬間までの道のりはまさに奇跡だ。ファンの皆さんが、クラブを潰させまいと支えてくれた。我々も忍耐と誇りを持って再建に取り組み、南ロンドンのルーツを守り抜いた。
FAカップは、億万長者のクラブが支配する現代サッカー界における“希望の星”だ。パレスのような規模のクラブが、一発勝負のノックアウト方式で勝ち進める唯一の大会なのだから。
我々には、最後まで戦う選手と、信念を持ったオリバー・グラスナー監督、そして世界一の歌声を響かせるファンがいる。ならば、トロフィーを持ち帰ることもできるはずだ。さあ、パレスよ! 我々の力を世界に見せつけよう」
キックオフ前、スタンドを赤と青に染めたパレスサポーターは巨大な横断幕を掲げていた。
「Wembley will shake....and it will be beautiful(ウェンブリーが揺れる...そしてそれは美しい光景になるだろう)」
約8万5000人の観衆で埋め尽くされたウェンブリー・スタジアムは、彼らの予言通りに揺れた。そして優勝トロフィー授与式で、その美しい光景に見とれていたのが鎌田だった。
日本代表MFが「奇跡のよう」と感慨深く語った「FAカップ優勝の物語」は、来季の欧州リーグ出場へと続くことになった。
取材・文●田嶋コウスケ
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約8万5000人の観衆で埋め尽くされたウェンブリー・スタジアムは、彼らの予言通りに揺れた。そして優勝トロフィー授与式で、その美しい光景に見とれていたのが鎌田だった。
日本代表MFが「奇跡のよう」と感慨深く語った「FAカップ優勝の物語」は、来季の欧州リーグ出場へと続くことになった。
取材・文●田嶋コウスケ
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