英国メディアが報じた浅野の評価とプレミア「デビュー」までに待ちかまえる壁とは?

カテゴリ:ワールド

田嶋コウスケ

2016年07月08日

労働ビザが下りた後に待つ強力なライバルとの熾烈なポジション争い。

ポジション争いのライバルにはチリ代表のA・サンチェスら錚々たるメンバーが顔を揃える。熾烈な競争にも打ち勝たねばならない。(C) Getty Images

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 懸念されるのは、ビザがどのタイミングで発給されるか。19歳でアーセナルに加入したコスタリカ代表FWのジョエル・キャンベルのように、2年に渡り労働ビザが発給されなかった事例もある。この間、1年目はフランスのFCロリアン、2年目はスペインのベティスへのレンタル移籍で技を磨いた。キャンベルの場合はレンタル2シーズン目にコスタリカ代表で初キャップを記録し、21歳でようやくビザが認められた。
 
 一方、宮市亮のケースは、入団からわずか半年でビザが下りた。入団直後にレンタル移籍したオランダのフェイエノールトでの活躍に加え、ヴェンゲル監督が審査会に出席したことで、A代表歴はなかったものの「特例」として認められた。果たして、浅野はどのタイミングでビザが下りるか。
 
 とはいえ、労働ビザが下りた後も、険しい道が待っていることに変わりはない。現在のスカッドを見渡しても、チリ代表のアレクシス・サンチェスやドイツ代表のメスト・エジル、イングランド代表のダニー・ウェルベック、セオ・ウォルコット、アレックス・オックスレイド=チェンバレン、ナイジェリア代表のアレックス・イウォビら、攻撃的ポジションには世界有数のアタッカーが揃う。
 
 先述のキャンベルの場合、ビザを取得できた3シーズン目もギリシャのオリンピアコスへ再びレンタルに出されているが、将来的には浅野も、彼らとの熾烈なポジション争いに打ち勝たなければならない。
 
 もちろん、アーセナルで得られるモノは大きい。浅野の強力な武器である「敵の背後に抜けるフリーラン」や「マーカーを振り切るスピード」を伸ばしながら、ファーストタッチを重視するアーセナルの「パス&ムーブ」のプレースタイルを吸収すれば、選手としてひと回りも、ふた回りも成長できる。特に、『ESPN』が彼の強みとして指摘している「プレーの重心が低い」点は、接触プレーの激しい欧州で戦っていくにはプラス材料だ。
 
 入団1年目となる今季は英国外へのレンタル移籍が濃厚だが、ポテンシャルを開花させられるかどうかは、浅野自身にかかっている。果たして、ジャーガーポーズで欧州を席巻できるか──。21歳の新たな挑戦に期待したい。
 
取材・文:田嶋コウスケ(フリーライター)
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