江坂任に初ゴールが生まれたことも大きい。

「そんなに甘いリーグじゃない。そんなにゴールが多いチームでもないですし、ドバドバっていくかは分からないけど、一つ取れてホッとしていますし、これからしっかり数字のところで貢献できれば」と江坂は決して楽観視していなかった。もっとも、４試合無得点の状況を打破してくれたアタッカーは、これからもチームを救ってくれるに違いない。

　ど真ん中にPKを蹴り込む度胸を見せて決勝点を決めた一美和成は、ルカオとの競争を楽しんでいる。

「ルカオは自力で局面を打開できる。僕にはそれができないけど、周りと連係しながらチームのために走って守備をすることができる。そこが特長の違いなんで、自分の良さをもっと出せるようにやっていきたいし、フォワードはやっぱり数字を求められる。数字でもお互いに競争していかないといけないと思いますし、今は本当に良い切磋琢磨ができている」

　ルカオは相手のマークがどんどんタイトになってきているが、だからこそ意欲を高ぶらせており、「マークは厳しくなっているけど、だから僕はさらに強くなれる。この状況を僕はポジティブに捉えています」と笑みを広げた。
 

　ディフェンスラインに頼もしい選手が復帰して自分たちのサッカーができる態勢が整い、アタッカーは気概を持ってチャレンジを続けている。次節の町田戦はさらに良いチーム状態の岡山が見られるに違いない。

「今の自分たちならやれると思う。相手のやることもはっきりしているんで対策もしつつですけど、今日の試合でできたことを前面に出していきたい」。田部井は力をこめて語った。

取材・文●寺田弘幸

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