プレッシャーはどんなクラブで受けるものよりも大きい
史上最高のGKと称されるノイアーの代役を務めるプレッシャーは、世界のどんなクラブで受けるものよりも大きいだろう。それも試合途中に予期せぬ形で巡ってきた出番だった。その心中を察してか、ヨズア・キミッヒやハリー・ケインらバイエルンの中心選手たちは些細なことでも声をかけ、ヨナスの緊張を解そうと手助けしているように見えた。
そのレバークーゼン戦の3日後、ヨナスは待望のブンデス1部デビューを果たしていた。ホームゲームの相手はボーフム。相手のゴールマウスには、奇しくもティモ・ホルンが立っていた。ティモはヨナスのケルン時代の大先輩であり、私にとってはヨナスと同じ教え子のひとりだ。一部で「終わった選手」とも囁かれていた彼だが、約3年ぶりにブンデスのピッチに立った22節のドルトムント戦からレギュラーとなり、このバイエルン戦でも逆転勝利を呼び込むビッグセーブ連発と健在ぶりを示した。
一方のヨナスは3失点を喫した。ただ、どれもノーチャンスと言える失点であり、チームの敗戦を招いたのは前半終了間際の退場というのが大方の見方だった。続くCLレバークーゼン戦で2-0の完封勝利を収め、ヨナスも一安心したはずだ。この試合で第1レグのアドバンテージ(3-0)を失っていたら、経験不足のヨナスに批判の矛先が向き、バイエルンで始まったばかりのキャリアに赤信号が灯ってもおかしくなかった。
そのレバークーゼン戦の3日後、ヨナスは待望のブンデス1部デビューを果たしていた。ホームゲームの相手はボーフム。相手のゴールマウスには、奇しくもティモ・ホルンが立っていた。ティモはヨナスのケルン時代の大先輩であり、私にとってはヨナスと同じ教え子のひとりだ。一部で「終わった選手」とも囁かれていた彼だが、約3年ぶりにブンデスのピッチに立った22節のドルトムント戦からレギュラーとなり、このバイエルン戦でも逆転勝利を呼び込むビッグセーブ連発と健在ぶりを示した。
一方のヨナスは3失点を喫した。ただ、どれもノーチャンスと言える失点であり、チームの敗戦を招いたのは前半終了間際の退場というのが大方の見方だった。続くCLレバークーゼン戦で2-0の完封勝利を収め、ヨナスも一安心したはずだ。この試合で第1レグのアドバンテージ(3-0)を失っていたら、経験不足のヨナスに批判の矛先が向き、バイエルンで始まったばかりのキャリアに赤信号が灯ってもおかしくなかった。
その3日後の26節ウニオン・ベルリン戦は、アウェーで苦労しながらも残り15分のところでリードを奪う。そのまま逃げ切りかと思われたが、84分だった。ヨナスのクロス処理が中途半端になり、相手の同点弾に結びついてしまったのだ。たった一回とはいえ、GKにとってはその一回のミスが悔やまれる結果(1-1)となった。
ヨナスの真価が問われるのはここからだ。ノイアーのカムバックが遅れていて(執筆時点)、ゴールマウスを託されるはずの試合がいくつか残されている。そのチャンスでミスをしっかり挽回し、チームに安定感をもたらせるか。バイエルン首脳陣はドイツ人を最優先に考えているはずだが、ヨナスを含む“ポスト・ノイアー”がいまひとつ期待に応えないようなら、外国人GKの獲得を躊躇しないだろう。
■著者プロフィール
田口哲雄/1976年、埼玉県生まれ。 東京外国語大学卒業後、渡独。 2006年からケルンの育成部門GKコーチとして働き始め、U-21チームのコーチングスタッフおよびU-15からU-21のGK育成を担当。19年秋の帰国後、22年末までJFAコーチGK担当を務めた。24年10月、ベルギー2部に所属するKASオイペンのGKコーチに就任。教え子にリオ五輪銀メダリストのティモ・ホルン(現ボーフム)、ドイツU-21代表のヨナス・ウルビヒ(現バイエルン)など。
※ワールドサッカーダイジェスト4月17日号より転載
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ヨナスの真価が問われるのはここからだ。ノイアーのカムバックが遅れていて(執筆時点)、ゴールマウスを託されるはずの試合がいくつか残されている。そのチャンスでミスをしっかり挽回し、チームに安定感をもたらせるか。バイエルン首脳陣はドイツ人を最優先に考えているはずだが、ヨナスを含む“ポスト・ノイアー”がいまひとつ期待に応えないようなら、外国人GKの獲得を躊躇しないだろう。
■著者プロフィール
田口哲雄/1976年、埼玉県生まれ。 東京外国語大学卒業後、渡独。 2006年からケルンの育成部門GKコーチとして働き始め、U-21チームのコーチングスタッフおよびU-15からU-21のGK育成を担当。19年秋の帰国後、22年末までJFAコーチGK担当を務めた。24年10月、ベルギー2部に所属するKASオイペンのGKコーチに就任。教え子にリオ五輪銀メダリストのティモ・ホルン(現ボーフム)、ドイツU-21代表のヨナス・ウルビヒ(現バイエルン)など。
※ワールドサッカーダイジェスト4月17日号より転載
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