移籍市場を激変させた「TransferRoom」の価値。Jリーグもシーズン移行の2026年に導入か?

カテゴリ:Jリーグ

元川悦子

2025年04月25日

IT技術に目を向けなければ、世界から取り残される

トランスファールームの参考ページ。

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 もう1つ、トランスファールーム導入のメリットとして挙げられるのが、年3~4回開催されているサミットに参加できること。直近のサミットは今年3月にベルリンで開かれ、数人のJクラブ強化担当者も実際に足を運んだというが、世界トップクラブの強化担当者とダイレクトな関係性を築けることは、大きな財産だと言っていい。

「サミットの中では15分毎に話す相手を変えながら、25のミーティングを持つマッチングの場もあります。お見合いパーティーのような形だと言えば想像しやすいと思います。時間的には短いかもしれませんが、ダイレクトに関係を作れる機会は滅多にない。英語力など外国語力はマストになりますが、今後のクラブの発展を考えても、こういう場に参加するのは意味あることだと思います」(檜山氏)

 このように急激に影響力を増しているトランスファールーム。すでにアメリカのMLSやスイスのスーパーリーグ、デンマークのスーペルリーガなど世界の複数リーグが導入を進めているが、Jリーグも近い将来、そうなる可能性があると言われる。

 というのも、単体のクラブでトランスファールームに加入する場合、年間ベースで数百万円の投資が必要になり、脆弱な財政基盤のクラブは手が出せないという実情もあるからだ。Jリーグが同社と契約すれば、Jリーグ60クラブがトランスファールームを利用可能になるし、移籍市場も活性化するだろう。
 
 Jリーグの野々村芳和チェアマンは「日本人選手が海外移籍に踏み切る場合、それ相応の移籍金を取れるようにしたい」と口癖のように語っているが、このシステムを活用することによって適正価格での移籍交渉が実現するはずだ。

 今後のJリーグの発展を考えてもプラスになるのではないか。もちろんリーグ側の判断にもよるが、早ければシーズン移行の2026年からの導入もあり得そうだ。

 いずれにしても、テクノロジーは確実にサッカー界に変革の波をもたらしている。クラブ強化担当や関係者がこれまで以上にIT技術に目を向けなければ、世界から取り残されることにもなりかねない。

 厳しい時代に突入しているのは確か。我々サッカーに関わる側もトランスファールームのようなツールの存在と意義をしっかりと理解しておくべきだろう。

取材・文●元川悦子(フリーライター)

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