福島で輝きを放ったMF大関友翔が川崎復帰を決めるまで。ケンゴさん、セキさん、周平さんに背中を押された言葉と“川崎の伝統を継ぐ者”への期待【インタビュー】
カテゴリ:Jリーグ
2025年04月10日
引退試合で目にした光景
まだ正式に行く末を決めていなかった2024年の年末には、心に残る大きなイベントもあった。
中村憲剛が4年越しで開催した引退試合だ。錚々たる顔ぶれが揃ったなか、大関は同じく福島にレンタル中であった松長根悠仁(2025年も福島でプレー)とともに、中村から声をかけられた。
ユース出身であったが、大関にとっては満員の等々力でプレーするのは初めてのことだった。
「やっぱり感慨深さがありました。プロになってから一度も等々力に立てていなかったですから。川崎の選手として出場したのはACLの蔚山戦と、公式戦ではないですが国立でのバイエルン戦(2023年夏)のみ。だから不思議な感覚と言いますか、満員の中で、なんだか“等々力デビュー”した気分になっちゃいました。でも、改めて公式戦で出たいという想いが強くなりました。今度は自分の手で掴み取りたいと」
一方で中村憲剛の引退試合では、目標とするその人の偉大さを改めて痛感したという。
「引退試合であんなに人を集められるのは、本当に凄いですよね。ケンゴさんは僕がサッカーにおいて一番尊敬している人。でも、当たり前なんですが、あの人を超えるには相当な壁があるなと、引退試合で痛感させられました。あれだけ愛されなきゃ“中村憲剛という位置”は確立できないんだなって」
中村憲剛が4年越しで開催した引退試合だ。錚々たる顔ぶれが揃ったなか、大関は同じく福島にレンタル中であった松長根悠仁(2025年も福島でプレー)とともに、中村から声をかけられた。
ユース出身であったが、大関にとっては満員の等々力でプレーするのは初めてのことだった。
「やっぱり感慨深さがありました。プロになってから一度も等々力に立てていなかったですから。川崎の選手として出場したのはACLの蔚山戦と、公式戦ではないですが国立でのバイエルン戦(2023年夏)のみ。だから不思議な感覚と言いますか、満員の中で、なんだか“等々力デビュー”した気分になっちゃいました。でも、改めて公式戦で出たいという想いが強くなりました。今度は自分の手で掴み取りたいと」
一方で中村憲剛の引退試合では、目標とするその人の偉大さを改めて痛感したという。
「引退試合であんなに人を集められるのは、本当に凄いですよね。ケンゴさんは僕がサッカーにおいて一番尊敬している人。でも、当たり前なんですが、あの人を超えるには相当な壁があるなと、引退試合で痛感させられました。あれだけ愛されなきゃ“中村憲剛という位置”は確立できないんだなって」
中村憲剛はかつてアカデミー時代からアドバイスを送ってきた大関に関して「自分と同じで良い意味で性格が悪い」と評していた。相手の逆を取り、相手を困らせる。ピッチのなかで厄介な存在と言われる素養をふたりは有しているということだろう。
もっとも大関が“第2の中村憲剛”になれるわけではない。大関には大関のひとりのサッカー選手としての魅力がある。だからこそ、偉大な先輩の背中を追い、多くの意見を取り入れながら、彼はさらに羽ばたこうとしている。インテンシティや身体能力が優先される現代サッカー。かつて華奢な14番が我々に夢を見させてくれたように、大関にも多くの人を魅了できる才能があるはずだ。
(全3回/1回目)
■プロフィール
大関友翔 おおぜき・ゆうと/2005年2月6日、神奈川県生まれ。真福寺FC―FC多摩ジュニアーFC多摩Jrユース―川崎U-18―川崎―福島。川崎育ちの新時代の司令塔。プロ2年目の昨季、レンタルで加わった福島では中盤の欠かせない存在として活躍。今季は愛する川崎でのブレイクを期す。ロス五輪を目指す若き代表の中軸選手でもある。
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
もっとも大関が“第2の中村憲剛”になれるわけではない。大関には大関のひとりのサッカー選手としての魅力がある。だからこそ、偉大な先輩の背中を追い、多くの意見を取り入れながら、彼はさらに羽ばたこうとしている。インテンシティや身体能力が優先される現代サッカー。かつて華奢な14番が我々に夢を見させてくれたように、大関にも多くの人を魅了できる才能があるはずだ。
(全3回/1回目)
■プロフィール
大関友翔 おおぜき・ゆうと/2005年2月6日、神奈川県生まれ。真福寺FC―FC多摩ジュニアーFC多摩Jrユース―川崎U-18―川崎―福島。川崎育ちの新時代の司令塔。プロ2年目の昨季、レンタルで加わった福島では中盤の欠かせない存在として活躍。今季は愛する川崎でのブレイクを期す。ロス五輪を目指す若き代表の中軸選手でもある。
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)