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U-20日本代表の10番・大関友翔を突き動かすロス五輪への決意。背景にあった悔しすぎた経験と川崎での新背番号「16」への想い【インタビュー】

カテゴリ:Jリーグ

本田健介(サッカーダイジェスト)

2025年04月10日

U-20アジアカップで示した10番としての輝き

10番でキャプテンマークも付けることのあるU-20日本代表では中軸選手に。今秋にはU-20ワールドカップを控える。(C)SOCCER DIGEST

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 相手の立ち位置を見ながらその間にポジションを取り、ボールを引き出し、巧みなターンで前を向いて攻撃陣を活かす。状況によっては自ら持ち運ぶ。

 今季のJリーグが開幕する直前から約3週間に渡って中国で行なわれたU-20アジアカップで10番を背負い、ボランチとして大関友翔が見せたプレーは、まさに川崎で学んできたものだった。

 派手さはない。それでもその巧さに目を奪われる。サッカーにおいて重要な、そして何より基礎的な“止める・蹴る”の技術、ポジショニング、相手を見るという要素を、的確に表現し、なおかつ強化してきた得点力も発揮する姿に、彼の確かな成長を感じた人は多いのではないか。

 川崎アカデミーから昇格した1年目(2023年)は試合になかなか絡めなかったが、昨季レンタル移籍したJ3の福島では主力として躍動(32試合・8得点)。実戦経験が彼をひとつ上のフェーズに押し上げたのだろう。

「福島での1年は充実というひと言に尽きます。試合に出ること、結果を残すこと、それに加えて(世代別の)代表にも選んでもらい国際試合も戦えた。選手としての幅を広げられました。立ち位置、受け方、味方とのつながり方、ボールをもらう前の選択肢の増やし方、止める技術、相手の剥がし方など、細かいところですが、成長した分、余裕が生まれたのかなと思います。

 プロ1年目は試合に出られず、アピールすることに必死でしたが、試合に出ることで実戦への身体のもっていき方、アプローチの仕方なども学べました。自分が試合で100パーセントの力を出すためのルーティンじゃないですけど、日々の過ごし方も勉強できましたね。

 シーズン終盤になるにつれて疲労も溜まりましたし、大きな怪我はなかったですが、細かい痛みを抱えながらの試合もありました。それこそ代表に選んでもらえて、帰ってきて中2日で試合に臨むこともあったので、タフにもなったと思います。すべてが良い経験でした。J3のベストイレブンにも選んでいただけましたし、自分の価値を示せた1年かなと感じます。

 ただ(福島での4-3-3のインサイドハーフは)手探りでもありました。元々、自分は、受ける側じゃなく、出す側だった。ユースの時もボランチの位置から縦パスを刺したり、スルーパスを出すことが、自分のプレーだと考えていましたから。ただ福島には上手い選手が一杯いて、パスを引き出す側に回ったほうが自分が活きると考えました。また、結果を出すことを強く意識していたので、ゴール前に入っていく回数を増やしたかったという面もありました。ただあそこまで上手くいくとは想像していなかったです。受ける側にも出す側にもなれたことは大きいですね。

 一方でJ1はプレースピードが速い。最後に足が出てくるところなど、J1はもうひとつ伸びてくる感覚はあるので、より目を慣らしながらプレーしたいです」

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 その受ける側のイメージは、川崎の諸先輩のプレーからも学んできた。

「ヤスくん(脇坂泰斗)、ケンゴさん(中村憲剛/現・川崎FRO)、(大島)僚太くんもそうですが、やっぱり立ち位置で勝負している。相手からしたら本当に嫌なところに立っていますし、ターンできる位置にポジションを取っている。そういう姿を見るだけで学べることばかりですし、素晴らしいロールモデルの先輩たちばかりなので、イメージを膨らませています。

 ケンゴさんには立ち位置もそうですし、止めた時、止める前にどんなことを考えておくのかなど、ユースの時から教えてもらいました。ただ日々課題も出るので、それを直接聞いて、ヤスくんらにもアドバイスをもらったりして、レベルアップしている感じです」

 対して福島やU-20日本代表で得た自信を川崎でも表現するためには守備面の向上もテーマになる。それこそ今季の川崎は鬼木達監督から長谷部茂利監督に指揮官が交代し、組織的なディフェンスをベースに、勝つ確率をより上げるサッカーにも取り組んでいる。

「(4-2-3-1で)ボランチとトップ下、どちらもできるようになりたいですが、良い形でボールを奪う、相手の時間を作らせないという点はどちらにしても大事で、中盤の選手主導でやるべきだと思います。ボランチのかけ声ひとつでチームを動かすことが、今の自分の課題だと感じています。

 チームとしての守備のハメ方もありますし、ここで取りたいっていう狙いもある。そこに持っていけるように指示をするのは、ボランチの役目でもあるので、そこのコーチングは身に付けたいですね。

 シチュエーションや相手によっても変わりますが、中を締めて外に追い出す場面や、中途半端に奪いにいくのではなく、チーム全体で動くためのスイッチを入れるファーストディフェンスも大事です。そのスイッチもボランチの仕事なので、しっかりやりたいです。

 そして自分から周囲に要求できるようになること。自分主体でやっていく場面を増やさなくちゃいけないですが、周りはすごい人ばかりなので、説得力を増せるように、プレーで見せていく必要もあると思います」

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