円の独歩高で世界的スターが日本にやってくるとの期待の声もあるが……。
今後、英国は、EU脱退の国民投票結果を受けて、EUに対して脱退の通告をすることになる。EUからの離脱に関するリスボン条約第50条では、貿易や人の移動などに関して、脱退の通告から2年の間に新しい協定を結ぶべく交渉を行なうと定められている(延長はあり)。
交渉が順調に進み、英国にもメリットがある新しい協定ができれば混乱は収束していくと思われるが、今後の交渉の行方によっては、最悪の場合、交渉が決裂することもあり得る。
「2年間でまとまらず、交渉が打ち切られた場合は、EU法の英国への適用が終了し、英国からEUへの輸出に関税がかかることになります(※現在はEU加盟国との関税はゼロ)」(吉田健一郎みずほ総合研究所上席主任エコノミスト)という。
その場合は、英国経済への打撃は決定的なものになると見られている。英国経済への打撃と混乱、それに伴う世界的な景気後退、さらにはEUの崩壊懸念が高まる可能性もあり、しばらくの間は円高基調が続くことになる。
「円の独歩高になることで海外から選手を取りやすくなる。世界のスターが日本にやってくる可能性もある」(サッカー関係者)と期待する声も一部であるが、それは、前提条件として日本の景気が悪化しなかった場合。もし、英国の先行き不安で日本の景気が悪くなれば、Jリーグの各クラブは選手獲得に資金を出せなくなる。
「円高によって海外選手が獲得しやすくなるプラス面よりも、日本の景気が悪くなることでのマイナス面の方が大きく表れると思われます。サッカー観戦などのレジャー産業は、景気悪化の影響を最も受けやすい分野のひとつになりますから…」(吉田健一郎みずほ総合研究所上席主任エコノミスト)
今後も英国、EUの混乱が続いていく場合は、日本の経済は無傷ではいられなくなる。その場合は、日本サッカー界にも、悪い影響が表われてくる可能性が高いと見るべきだろう。
取材・文:石田英恒
交渉が順調に進み、英国にもメリットがある新しい協定ができれば混乱は収束していくと思われるが、今後の交渉の行方によっては、最悪の場合、交渉が決裂することもあり得る。
「2年間でまとまらず、交渉が打ち切られた場合は、EU法の英国への適用が終了し、英国からEUへの輸出に関税がかかることになります(※現在はEU加盟国との関税はゼロ)」(吉田健一郎みずほ総合研究所上席主任エコノミスト)という。
その場合は、英国経済への打撃は決定的なものになると見られている。英国経済への打撃と混乱、それに伴う世界的な景気後退、さらにはEUの崩壊懸念が高まる可能性もあり、しばらくの間は円高基調が続くことになる。
「円の独歩高になることで海外から選手を取りやすくなる。世界のスターが日本にやってくる可能性もある」(サッカー関係者)と期待する声も一部であるが、それは、前提条件として日本の景気が悪化しなかった場合。もし、英国の先行き不安で日本の景気が悪くなれば、Jリーグの各クラブは選手獲得に資金を出せなくなる。
「円高によって海外選手が獲得しやすくなるプラス面よりも、日本の景気が悪くなることでのマイナス面の方が大きく表れると思われます。サッカー観戦などのレジャー産業は、景気悪化の影響を最も受けやすい分野のひとつになりますから…」(吉田健一郎みずほ総合研究所上席主任エコノミスト)
今後も英国、EUの混乱が続いていく場合は、日本の経済は無傷ではいられなくなる。その場合は、日本サッカー界にも、悪い影響が表われてくる可能性が高いと見るべきだろう。
取材・文:石田英恒