今は海外の厳しい環境でポジションを掴んで活躍する選手も多く、個のレベルが上がった。層も厚くなったね。

　バーレーン戦ではアタッカーの南野や三笘、堂安がうまく攻められなくても、途中出場の鎌田がゴールを決めた。中盤では本調子でない守田に代わって田中を使える。ディフェンダーは、主軸だった冨安や谷口を欠いても相手を完封した。

　スタッフ陣の充実ぶりも大きいね。久保が決めた２点目のように、デザインされたセットプレーも際立つようになった。22年のカタール・ワールドカップ後にコーチになった名波や前田の加入の効果が見てとれる。
 

　トルシエやザッケローニ、ハリルホジッチら海外から監督を招聘していた時代を経て、今は日本人の森保監督が指揮を執っている。名波や前田との風通しの良さを感じるし、盤石の陣容だね。

　アジア最終予選で３試合を残して本大会出場を決めた日本は今後、その優位性を活かしてほしい。選手間の競争はさらに激しくなるだろうし、それが戦力の底上げにつながるはずだ。

　次戦は、25日のサウジアラビア戦だ。日本は早くもワールドカップに向けた準備に入れる。新戦力を試すかどうか。森保監督の采配にも注目だ。

【著者プロフィール】
金田喜稔（かねだ・のぶとし）／1958年２月16日生まれ、67歳。広島県出身。現役時代はドリブルの名手として知られ、中央大在学中の1977年6月の韓国戦で日本代表デビューを飾り、代表初ゴールも記録。『19歳119日』で記録したこのゴールは、現在もなお破られていない歴代最年少得点である。その後は日産自動車（現・横浜）でプレーし、1991年に現役を引退。Jリーグ開幕以降はサッカーコメンテーター、解説者として活躍している。

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