難しい状況に置かれながらも、鎌田は自身の役割を黙々とこなしている。３月８日のイプスウィッチ戦では、スコア０－０の72分から途中出場。自身のドリブルの仕掛けが相手選手に当たり、これが決勝ゴールに繋がった。

　チームは、リーグ戦の直近８試合で６勝２敗と絶好調。順位を12位まで上げ、降格圏まで22ポイント差の安全圏につけた。FA杯でもベスト８に進出するなど、上昇気流に乗っている。

　クリスタル・パレスは３月の代表ウィーク直前に試合がなかったことから、温暖なスペイン南部マルベーリャで合宿を行なった。13日には、ノルウェーのハマルカメラテネと強化試合を行ない、鎌田は先発出場。日本代表戦に向けて、サムライ戦士は自身のコンディションについて次のように話す。

「コンディションは悪くないと思う。基本的に怪我もなくずっと練習もできてるし、問題はないんじゃないかなっていう風に思ってます」
 

　２月15日のクリスタル・パレス対エバートン戦には、日本代表の森保一監督が視察に訪れた。この試合では86分からの出場で、大活躍というわけにはいかなかったが、プレミアリーグが一時中断となった今、気持ちと頭を日本代表戦に切り替えている。３月シリーズについて、次のように語る。

「２試合ともホームでできる。今、かなり順調に勝てていて、良い感じにポイントを重ねられてると思います。だけど、最終予選はやっぱり簡単じゃないとみんな理解していると思う。しっかり挑まないと次にも繋がらない。代表の選手は意識がすごく高いので、油断もまったくしないと思いますけど、しっかり１発目で勝って、ワールドカップ出場を決められたらいいなと思っています」

　ドイツ、イタリア、イングランドで戦ってきた鎌田から見て、今の日本代表の強みはどこにあるのか。ストロングポイントとして、三笘薫や堂安律、中村敬斗、伊東純也、前田大然のいるウイングを挙げた。

「ウイングに個（の力）で、剥がせる選手がいるのは素晴らしいことだと思う。日本人の良さというか、規律をしっかり守ってやれるのも優れているところと考えています」

　３月のW杯最終予選は、20日のバーレーン戦と25日のサウジアラビア戦の２試合。ひとつ勝てばW杯出場が決まるなかで、鎌田はどんなプレーを見せてくれるか。

取材・文●田嶋コウスケ

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