鬼木新監督のもと、鹿島で主力を勝ち取りに行くことを決断
その細谷と同じく、パリ五輪を経験した期待のタレントの1人が荒木遼太郎(鹿島アントラーズ)だ。これまでA代表は2022年1月の親善試合、ウズベキスタン戦に選ばれただけで、その試合もコロナ禍で相手チームが入国できずに中止となってしまった。しかし、昨年は期限付き移籍したFC東京でエース級の存在となり、大岩剛監督の評価を一気に高める。そしてパリ五輪の最終予選を兼ねたU-23アジアカップの活躍も認められる形で、本大会の最終メンバーに食い込んだ。
主力の地位を掴んだFC東京で続けるか、あるいは海外挑戦という選択もあったかもしれないが、荒木は川崎フロンターレを4度のリーグ優勝に導いた鬼木達新監督のもと、鹿島で主力を勝ち取りに行くことを決断した。一昨年より走力も力強さも増した荒木にとって、満を持してのチャレンジだったはずだが、4ー4ー2の右サイドハーフで起用された湘南ベルマーレとの開幕戦は攻撃面で持ち味を発揮できないばかりか、対面する畑大雅に再三チャンスを与えてしまった。
1点のビハインドを負った鬼木監督は荒木に代えて、右サイドバックを本職とする濃野公人を投入した。湘南戦は0-1のまま敗れたが、第2節の東京ヴェルディ戦で鬼木監督は濃野を本来の右サイドバックに、そして開幕戦で右サイドバックだった新加入の小池龍太を右サイドハーフに配置する新プランを打ち出すと、これが見事にハマる形で昨季6位のヴェルディを相手に4−0の大勝を飾る。
そこから4連勝を果たした鹿島で、荒木は1−1で引き分けた前節の浦和レッズ戦まで5試合、ベンチ入りはするものの、一度も出場チャンスが無かった。
主力の地位を掴んだFC東京で続けるか、あるいは海外挑戦という選択もあったかもしれないが、荒木は川崎フロンターレを4度のリーグ優勝に導いた鬼木達新監督のもと、鹿島で主力を勝ち取りに行くことを決断した。一昨年より走力も力強さも増した荒木にとって、満を持してのチャレンジだったはずだが、4ー4ー2の右サイドハーフで起用された湘南ベルマーレとの開幕戦は攻撃面で持ち味を発揮できないばかりか、対面する畑大雅に再三チャンスを与えてしまった。
1点のビハインドを負った鬼木監督は荒木に代えて、右サイドバックを本職とする濃野公人を投入した。湘南戦は0-1のまま敗れたが、第2節の東京ヴェルディ戦で鬼木監督は濃野を本来の右サイドバックに、そして開幕戦で右サイドバックだった新加入の小池龍太を右サイドハーフに配置する新プランを打ち出すと、これが見事にハマる形で昨季6位のヴェルディを相手に4−0の大勝を飾る。
そこから4連勝を果たした鹿島で、荒木は1−1で引き分けた前節の浦和レッズ戦まで5試合、ベンチ入りはするものの、一度も出場チャンスが無かった。
現在、荒木が使われていない大きな理由として考えられることが、鬼木監督が川崎でやってきたようなポゼッションをベースとした戦い方が構築できておらず、レオ・セアラのパワフルなフィニッシュを活かす、シンプルなトランジションをベースとした戦い方にシフトしたことだ。
もちろん、最終ラインからボランチの柴崎岳や樋口雄太を経由するビルドアップが全くないわけではないが、現在のスタイルだとテクニカルなチャンスクリエイターの荒木より、縦に仕掛けられる松村優太やオフザボールで効果的な働きができる小池の方が、サイドハーフの役割をこなしやすい。
前節の浦和戦は終始、相手のプレスと推進力に押される流れでリードを許し、勝負のカードとして荒木の投入も期待されたが、浦和陣内での支配的な攻撃が難しい状況で、鬼木監督が選択したのはよりサイドアタッカー色の強い師岡柊生だった。荒木自身が頑張っても、現在の戦い方の中で完璧にフィットすることは簡単ではない。ただ、鬼木監督もこのままで良いと考えているはずがなく、ビルドアップの質を高めながら攻撃にバリエーションを加えていくために、荒木は間違いなく有効なカードになってくる。
どんなスタイルでも活躍できる選手というのは理想的で、荒木が代表や海外での活躍を目ざすのであれば、今は乗り越えるべき壁に向き合っている部分もあるかもしれない。一方で鬼木監督が本来やりたいスタイルに寄るほど、荒木の持ち味をそのまま発揮しやすい環境が整うことも確かで、ここからどうなっていくか、鹿島の動向とともに気になるところだ。
もちろん、最終ラインからボランチの柴崎岳や樋口雄太を経由するビルドアップが全くないわけではないが、現在のスタイルだとテクニカルなチャンスクリエイターの荒木より、縦に仕掛けられる松村優太やオフザボールで効果的な働きができる小池の方が、サイドハーフの役割をこなしやすい。
前節の浦和戦は終始、相手のプレスと推進力に押される流れでリードを許し、勝負のカードとして荒木の投入も期待されたが、浦和陣内での支配的な攻撃が難しい状況で、鬼木監督が選択したのはよりサイドアタッカー色の強い師岡柊生だった。荒木自身が頑張っても、現在の戦い方の中で完璧にフィットすることは簡単ではない。ただ、鬼木監督もこのままで良いと考えているはずがなく、ビルドアップの質を高めながら攻撃にバリエーションを加えていくために、荒木は間違いなく有効なカードになってくる。
どんなスタイルでも活躍できる選手というのは理想的で、荒木が代表や海外での活躍を目ざすのであれば、今は乗り越えるべき壁に向き合っている部分もあるかもしれない。一方で鬼木監督が本来やりたいスタイルに寄るほど、荒木の持ち味をそのまま発揮しやすい環境が整うことも確かで、ここからどうなっていくか、鹿島の動向とともに気になるところだ。