連続得点は途絶えたものの、試合中にはゴールチャンスも２度ほど訪れている。開始から間もない10分には、リーグ戦初先発を飾ったMFディエゴ・ゴメスのスルーパスに反応してボックス内に飛び出したが、DFに素早く身体を寄せられて右足に当てるのが精いっぱい。シュートを打てずに、ボールはポスト右に外れた。

　さらに同37分。右サイドのタリク・ランプティからのクロスを、エリア内中央でダイレクトボレー。ネットに突き刺さると思われたが、ポストに当たって惜しくもゴールにはならず。スタジアムにいたシーガルズサポーターの歓声は大きなため息へと変わった。

　惜しい一幕だったが、試合後の本人は「もうちょい（身体を）ひねれれば入ったと思いますけど、まあちょっと難しかったですね。自分の技量が足りなかった」と、なんとも“らしい”言葉で謙遜するだけだった。

　シーズンが佳境を迎えるこの時期。ブライトンは、ヒュルツェラー監督のもと、着実に成長を続けている。一歩ずつ成熟に近づいている印象だ。押し込まれながらもチーム全員で耐えしのんで、つかみ取った勝利だった。
【画像】“世界一美しいフットボーラー”に認定された女子選手の厳選ショット

　前述のとおり、１月に新加入したゴメスが初先発し、テクニカルと強さを兼ね備えた堂々なパフォーマンスを中盤で披露。今後を期待させるのに十分以上だった。

　21歳のパラグアイ代表について、三笘は「いや、もうどこでも顔を出せる選手ですし、運動量もあって技術も高くて。若いですけど、ベテランのようなプレーもできますし、間違いなく今後素晴らしい選手になっていくと思います」と太鼓判を押している。

　また決勝ゴールを決めたのは72分からピッチに送り込まれたダニー・ウェルベック。途中出場からわずか３分後、ジョルジニオ・リュテールのパスに反応すると、ディフェンスラインの一瞬の隙を突いた飛び出しから、左足で絶妙なシュート。ベテランならではの技ありゴールでチームに勝利を引き寄せた。

「途中から入ってくる選手は勢いがありますし、３人が入ってから勢いが変わりましたし、セカンドボールを拾ってというところもありますし。間違いなく助けになってます。そういうスタメン争いで競争が激しい中、そういうプレーが出ているのは間違いなくいいことだと思います」