県予選の決勝は流経大柏に延長戦で敗れたが、村上や高を後半から投入し、１年生DF今村直也を先発で試す余裕を見せて主導権を握る展開。悲観すべき内容ではなかった。
 
　それでも全国大会で圧倒できるレベルを求めている朝岡監督は「勝つだけじゃダメというところで臨んで、結果以外の面で得るものはあった。ただ、それでも勝たなければダメ。攻撃のクオリティが低い。２列目で選手が伸びて来ないと違いを作れない」と厳しく指摘した。目標は高く、慢心という落とし穴に陥る心配はなさそうだ。
 
　監督、選手ともに「ひとつずつ戦うだけ」と口を揃えるが、充実の陣容で臨むインターハイ全国大会で見据えるのは当然、頂点だ。
 
　昨年はインターハイ決勝、全国高校選手権３回戦でともに東福岡（福岡）にPK戦で敗れている。主将の杉岡は「全国大会は、選手権、プレミアにつながる大会にしたい。優勝は狙っている。去年は、悔しかったので。今年は（東福岡に）勝たないとダメ。絶対に負けられない」と東福岡への雪辱とタイトル奪取を誓った。
 
　今夏、史上最多９度目の優勝を手中に収めるべく、市立船橋は決戦の地・広島へ乗り込む。

取材・文：平野貴也（フリーライター）