• トップ
  • ニュース一覧
  • 中村憲剛が感じた“オニさん”の凄みと人間性。鬼木達監督の下で心に刻まれた2試合と言葉

中村憲剛が感じた“オニさん”の凄みと人間性。鬼木達監督の下で心に刻まれた2試合と言葉

カテゴリ:Jリーグ

本田健介(サッカーダイジェスト)

2024年10月29日

最も印象深いオニさんの言葉

何度も意見をかわしたふたり。多くの学びがあったという。(C)SOCCER DIGEST

画像を見る

 オニさんの言葉で最も印象深いのは優勝争いをしている際にかけられた「自分たちから崩れない」というフレーズです。優勝争いというと、勝ち続けなくてはいけない、勝ち続けたチームが優勝するというイメージでした。それも間違いではないですが、オニさんは「他との我慢比べで負けない」という言い方をしたんです。
 
 それこそ一個一個、自分たちの試合にベクトルを向け、フォーカスする。先を見すぎず、一喜一憂しない。負けても連敗をしない、次はこぼさないなど、自分たちから大崩れしないことで相手にプレッシャーをかけるという考え方はすごく勉強になりました。

 それまでのフロンターレはどちらかと言うと、大事な試合を落とすと、引きずる傾向にあったんです。でも、負けても必要以上に落ち込まない、自分たちから崩れない、一喜一憂しないで戦い続けることの重要性は、自分の引き出しに貴重な学びとして入っています。
 
 言うなれば、勝ち続けようというロマンのある戦い方ではなく、自分たちから崩れないというリアリスティックな部分。自分たちが崩れなければ、相手が絶対に崩れてくると、オニさんは言い切ったんです。それは鹿島で学んだ部分でもあったのでしょう。
 
 オニさんの言葉は結果も伴って僕の血肉になっています。やっぱり勝つというこだわりに関しては、僕が指導を受けた監督のなかで随一でした。そして圧倒的に人を見ている。毎日選手がいなくなるまでグランドに残っていたからこそ、そこに裏付けされたアプローチが理にかなったものになり、選手も厚い信頼を置けるわけです。
 
 ここまで、改めてオニさんとの時間を振り返らさせていただきましたが、20年を超えた付き合いなので、正直ここでは書ききれません。オニさんとともにプレーできたこと、ともに優勝できたこと、本当に嬉しかったですし、30歳を超えてからも成長させてもらえたこと、オニさんだからこそ40歳までプレーすることができたこと、感謝しかありません。

 本当にありがとうございました。

 お疲れ様はまだ言いません。残りの試合もオニさんらしく戦ってほしいと思います。

構成●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
前編はこちら
【関連記事】
中村憲剛が語る川崎退任の鬼木達監督への想いと感謝。決して忘れられない“オニさん”からの教えと言葉
涙を堪えた試合後の握手。川崎退任決定の鬼木監督と劇的同点弾の小林悠の熱く感動的な絆
「ひとつでも多くの勝利を」「正直まだ整理がついていない」今季限りでの退任決定の鬼木達監督と川崎は残り9試合をどう戦うか
【師弟スペシャル対談1】関塚隆×中村憲剛。川崎時代から継がれるバトン「セキさんがフロンターレの監督になったのはちょうど今の僕の歳」
【師弟スペシャル対談4】関塚隆×中村憲剛。寺田周平監督がサプライズ登場!!ケンゴも太鼓判「今の福島のサッカーは本当に面白い」

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト 王国の誇りを胸に
    4月10日発売
    サッカー王国復活へ
    清水エスパルス
    3年ぶりのJ1で異彩を放つ
    オレンジ戦士たちの真髄
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 特別企画
    5月1日発売
    プレミアリーグ
    スター★100人物語
    絆、ルーツ、感動秘話など
    百人百通りのドラマがここに!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 完全保存版
    1月17日発売
    第103回全国高校サッカー選手権
    決戦速報号
    前橋育英が7年ぶりの戴冠
    全47試合&活躍選手を詳報!
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ