ヤングなでしこは世界で強いが、なでしこジャパンは8強止まり。世代別代表の成績がトップとリンクしない謎。先を見据えたメンバー選びやシステム選択は見直す必要がある【識者の見解】
カテゴリ:女子サッカー
2024年09月26日
大外からA代表入りするようなケースは...
全体的な背景をまとめると、JFA(日本サッカー協会)によると国内で女子サッカーの中学生以上の選手登録数は約2万8000人とされる。強豪国の中ではかなり少ないと考えられるが、エリート育成という観点に立てば話は別だ。
U-12から都道府県トレセン、地区トレセン、ナショナルトレセンが整備されており、U-15からはU-17女子W杯を目ざす“リトルなでしこ”の活動が本格化する。
GKに関しては、経験を問わずに有望なタレントを発掘する「スーパー少女プロジェクト」(現在は女子GKキャンプ)が実施されており、現在のなでしこジャパンの守護神である山下杏也加(マンチェスター・シティ)も経験者だ。
2020年以降はコロナ禍で海外遠征や海外チームを招いての活動が制限され、実際に20年のU-17女子W杯とU-20女子W杯が中止となったが、現在はU-15から海外チームとの国際試合の開催や、海外で行なわれる国際大会への参加など、意欲的な活動が戻ってきている。
狩野倫久監督が率いた今回のヤングなでしこも、昨年5月にフランスのアビニョンで開催されたSUD Ladies Cupに参加したり、福島や千葉、大阪でトレーニングキャンプを行ないながら、チームの強化とメンバーの絞り込みをしてきた。
U-12から都道府県トレセン、地区トレセン、ナショナルトレセンが整備されており、U-15からはU-17女子W杯を目ざす“リトルなでしこ”の活動が本格化する。
GKに関しては、経験を問わずに有望なタレントを発掘する「スーパー少女プロジェクト」(現在は女子GKキャンプ)が実施されており、現在のなでしこジャパンの守護神である山下杏也加(マンチェスター・シティ)も経験者だ。
2020年以降はコロナ禍で海外遠征や海外チームを招いての活動が制限され、実際に20年のU-17女子W杯とU-20女子W杯が中止となったが、現在はU-15から海外チームとの国際試合の開催や、海外で行なわれる国際大会への参加など、意欲的な活動が戻ってきている。
狩野倫久監督が率いた今回のヤングなでしこも、昨年5月にフランスのアビニョンで開催されたSUD Ladies Cupに参加したり、福島や千葉、大阪でトレーニングキャンプを行ないながら、チームの強化とメンバーの絞り込みをしてきた。
そして今年はウズベキスタンで行なわれたU-20女子アジア杯で準優勝し、W杯の切符を手にすると、6月には再びSUD Ladies Cupでコロンビア、メキシコ、モロッコと対戦して、本番を前に国際経験を積むと同時に、最終メンバー選考につなげた。
このように強化合宿や予選を兼ねたアジア杯を戦いながら本大会に挑むわけだが、この舞台を経験した選手が、その後のなでしこジャパンの候補になる。つまり男子であるようなアンダーカテゴリーを経験せずに、大外からA代表入りするようなケースがほとんど見られないのだ。
現在のなでしこジャパンで例えると、パリ五輪に選ばれたメンバーのうち、U-17かU-20の世界大会を経験していない選手は、GK山下と清家貴子(ブライトン)だけ。二人ともU-19代表などは経験がある。
そもそもの競技人口が少ないうえに、JFAのトレセンや代表活動はしっかり機能していることが、かえってエリート選手の固定化というものを生んでしまうのは皮肉な話だ。WEリーグなどから底上げをしていくことで、U-17、U-20の段階では世代のトップ・オブ・トップでなかったタレントの突き上げが起きてくると、なでしこジャパンの活性化にもつながるはずだ。
このように強化合宿や予選を兼ねたアジア杯を戦いながら本大会に挑むわけだが、この舞台を経験した選手が、その後のなでしこジャパンの候補になる。つまり男子であるようなアンダーカテゴリーを経験せずに、大外からA代表入りするようなケースがほとんど見られないのだ。
現在のなでしこジャパンで例えると、パリ五輪に選ばれたメンバーのうち、U-17かU-20の世界大会を経験していない選手は、GK山下と清家貴子(ブライトン)だけ。二人ともU-19代表などは経験がある。
そもそもの競技人口が少ないうえに、JFAのトレセンや代表活動はしっかり機能していることが、かえってエリート選手の固定化というものを生んでしまうのは皮肉な話だ。WEリーグなどから底上げをしていくことで、U-17、U-20の段階では世代のトップ・オブ・トップでなかったタレントの突き上げが起きてくると、なでしこジャパンの活性化にもつながるはずだ。