【熊本】震災後、再開2戦目から見えた“ある変化”。蘇るアスリート精神と彼らの日常

カテゴリ:Jリーグ

井芹貴志

2016年05月25日

試合ができる"喜び"から、勝利への"渇望"へと変化。選手たちには、アスリートとしてのメンタリティが蘇りつつある。

献身的に攻守に身体を張り続けた巻(36番)。この熱いリーダーだけでなく、すべての選手たちが「勝点3」を渇望している。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 だからこそ一層、あれほど素晴らしい雰囲気で戦ったホームゲームで敗れた悔しさが増幅されたのだろう。片山奨典は言う。
 
「本当のホームのような雰囲気でやらせてもらったので、勝点1でも取ってチームにも勢いを持たせたかったし、熊本にも元気を与えたいという気持ちでした。場所がどこであっても(次節の町田戦はノエビアスタジアム神戸での開催)、早く勝点が欲しいという思い、良くない流れを早く断ち切りたい思いでいっぱいです」
 
 彼らの仕事であるサッカーができなかった約1か月を経て、試合ができる喜びを味わった千葉戦から1週間。選手たちの内面では、プレーのクオリティをより高め、相手を上回りたいという思い、すなわちプロフェッショナルのアスリートが本来持つ勝利を希求するメンタリティが蘇り、さらには今まで以上に膨らんできた。
 
 それはつまり、彼らを取り巻くサッカーに関する日常が、わずかながらでも戻りつつあることを意味する。
 
 短いスパンでの連戦、長距離移動による身体的な疲労など、これからも厳しい戦いが続く事には変わりない。だがそれも、彼らの闘争心に火をつける。今年2度目の「初勝利」は、少しずつ、近づいている。

取材・文:井芹貴志(フリーライター)
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