1対1のデュエルとプレッシングを考察
(2)1対1のデュエル
敵陣まで進出してポゼッションを確立したスペインは、ラスト30メートルの攻略では外の2レーンを使ったコンビネーションや1対1突破で仕掛ける場面が多かった。
とりわけ強力だったのが、左右のウイング(右ヤマル、左ニコ・ウィリアムス)によるドリブル突破。サイドにボールを展開する際には、両ウイングの背後から左右のサイドバック(右ダニエル・カルバハル、左マルク・ククレジャ)も積極的にサポートすることで敵のマークを分散させ、ウイングが1対1で突破を仕掛ける状況を作り出した。
決定的だったのは、すでに触れた左サイドでのニコ・ウィリアムスによる突破。開始からわずか1分20秒、最初の1対1でディ・ロレンツォを抜き去ってサイドをえぐると、ゴール正面に詰めたペドリにぴったり合わせたクロスを送り込み、この後何度も繰り返されることになる決定機創出の口火を切った。
前半にシュート9本(うち枠内4本)を放ちながら0-0で折り返した後半も、55分にまたもやディ・ロレンツォをかわして縦に抜け出すと最終ラインとGKの間に低く早いクロスを折り返し、これがカラフィオーリに当たって決勝点となるオウンゴール。さらに70分には、ペナルティエリア左角から今度は内に切れ込んで右足でファーポスト際に強力なミドルシュートを撃ち込んだが、惜しくもクロスバーに弾かれてゴールにはならなかった。
敵陣まで進出してポゼッションを確立したスペインは、ラスト30メートルの攻略では外の2レーンを使ったコンビネーションや1対1突破で仕掛ける場面が多かった。
とりわけ強力だったのが、左右のウイング(右ヤマル、左ニコ・ウィリアムス)によるドリブル突破。サイドにボールを展開する際には、両ウイングの背後から左右のサイドバック(右ダニエル・カルバハル、左マルク・ククレジャ)も積極的にサポートすることで敵のマークを分散させ、ウイングが1対1で突破を仕掛ける状況を作り出した。
決定的だったのは、すでに触れた左サイドでのニコ・ウィリアムスによる突破。開始からわずか1分20秒、最初の1対1でディ・ロレンツォを抜き去ってサイドをえぐると、ゴール正面に詰めたペドリにぴったり合わせたクロスを送り込み、この後何度も繰り返されることになる決定機創出の口火を切った。
前半にシュート9本(うち枠内4本)を放ちながら0-0で折り返した後半も、55分にまたもやディ・ロレンツォをかわして縦に抜け出すと最終ラインとGKの間に低く早いクロスを折り返し、これがカラフィオーリに当たって決勝点となるオウンゴール。さらに70分には、ペナルティエリア左角から今度は内に切れ込んで右足でファーポスト際に強力なミドルシュートを撃ち込んだが、惜しくもクロスバーに弾かれてゴールにはならなかった。
(3)プレッシング
イタリアがまったく何もさせてもらえなかったのは、自陣でようやくボールを奪い返してもスペインの素早く激しいカウンタープレスに遭って、落ち着いてつなぐための時間とスペースを得られず、ロングボールに逃げたり、簡単なパスをミスしてすぐにボールを失い、再び守勢に回る展開が繰り返されたから。
スペインは攻撃時には常に最終ラインを高く押し上げて陣形をコンパクトに保ち、ボールロスト時には迅速な切り替えからボールホルダーとその周辺にプレッシャーをかけるアグレッシブな振る舞いを徹底。イタリアにまったく余裕を与えなかった。
さらにイタリアのビルドアップに対しても、前線からマンツーマンでハイプレスを仕掛け、コンパクトな陣形をボールサイドにぎゅっと圧縮させてパスルートを完全に遮断。10人のフィールドプレーヤーがピッチの片側に固まる場面も珍しくなかった。
そこから逆サイドへの展開を許せば一気にカウンターアタックを喫する可能性も高いハイリスクな戦術だが、サイドチェンジを蹴る時間とスペースすらも与えない強度の高さでボールにプレッシャーをかけ続け、イタリアに焦りと困難からのパスミスを繰り返させた。
文●片野道郎
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イタリアがまったく何もさせてもらえなかったのは、自陣でようやくボールを奪い返してもスペインの素早く激しいカウンタープレスに遭って、落ち着いてつなぐための時間とスペースを得られず、ロングボールに逃げたり、簡単なパスをミスしてすぐにボールを失い、再び守勢に回る展開が繰り返されたから。
スペインは攻撃時には常に最終ラインを高く押し上げて陣形をコンパクトに保ち、ボールロスト時には迅速な切り替えからボールホルダーとその周辺にプレッシャーをかけるアグレッシブな振る舞いを徹底。イタリアにまったく余裕を与えなかった。
さらにイタリアのビルドアップに対しても、前線からマンツーマンでハイプレスを仕掛け、コンパクトな陣形をボールサイドにぎゅっと圧縮させてパスルートを完全に遮断。10人のフィールドプレーヤーがピッチの片側に固まる場面も珍しくなかった。
そこから逆サイドへの展開を許せば一気にカウンターアタックを喫する可能性も高いハイリスクな戦術だが、サイドチェンジを蹴る時間とスペースすらも与えない強度の高さでボールにプレッシャーをかけ続け、イタリアに焦りと困難からのパスミスを繰り返させた。
文●片野道郎
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