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「やったことのないポジションなので新鮮」左ウイングバックに意欲の前田大然。攻守のバランスで最適解を見出し、決定力が加われば鬼に金棒だ

カテゴリ:日本代表

元川悦子

2024年06月09日

三笘を抜き去り一番手になるのも夢ではない

守備の強度やハードワーク、スピードには自信がある。攻撃面で違いを見せたい。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部)

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 爆発的な速さを誇る韋駄天が、ドリブル突破で左サイドを次々と打開し、さらにゴールも奪えるようになれば、中村との競争で一歩優位な状況に立てる。加えて言えば、三笘薫(ブライトン)を抜き去ってファーストチョイスになることも夢ではないだろう。

 実際、昨冬のアジアカップのイラン戦などを見ても分かる通り、守備強度やハードワークの部分では、前田は上記2人をはるかに上回る存在感を示せる。その高い守備意識や献身性と、攻撃面の推進力の折り合いをどうつけるかというのは、やはり難しい問題。その最適解をシリア戦で見出したいところだ。そこにゴールという結果、決定力が加われば、まさに鬼に金棒ではないか。

 セルティックでも左からの仕掛けに磨きをかけながら、過去2シーズンを過ごしてきた。
 
「今季は監督が(アンジェ・ポステコグルーからブレンダン・ロジャーズに)代わり、サッカーのスタイルも変化したので、最初は難しかったですけど、そういうなかでも自分の役割はあまり変わらなかったし、しっかりとプレーできた。その成果を今季最後の試合(となるシリア戦)で出して、良い形で終わりたいですね」

 こう力を込めた前田。シリア戦で得点と勝利を自らの力で引き寄せることができれば、よりレベルの上がる最終予選に弾みをつけられる。彼自身、最終予選とクラブの試合をフルで両立させるのは今回が初。だからこそ、ここで「ウイングバックとしての確信」を手にしておくことが重要なのだ。

 シリア戦では、銀髪に変貌を遂げたスピードスターの一挙手一投足に注目すべき。見る者を驚かせる仕事ぶりを改めて期待したいものである。

取材・文●元川悦子(フリーライター)

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