浦和の被シュート数は断トツの少なさで、2位の横浜とは18本もの差がある。
首位に浮上した浦和の最大の強みは、「シュートを打たせない鉄壁の守備」だ。それは数字が証明する。8節を終えて、5失点は鹿島と並んでリーグ最少。なにより特筆すべきは被シュート数(相手に打たれたシュート数)だ。
8試合で44本は断トツの少なさで、2位の横浜とは18本もの差がある。1試合平均の被シュート数にすると、実に「5.5本」。対戦カードの巡り合わせもあるが、それにしても1試合あたり5~6本しかシュートを打たせない守備の安定感は群を抜く。川崎戦の被シュート数も6本で、堅守は本物と言っていいだろう。
3バックの中央で最終ラインを統率した遠藤航はこう語る。
「理想はハーフウェーライン付近で、ボールが出てくる時に奪うこと。ただ奪えない時は飛び込まず、入れ替わられないように意識していた。前の(攻守の)切り替えの意識は強いし、あれぐらい早く切り替えてボールの出所に行ってくれると自分も狙いやすい。そこは試合前からみんなで話していた部分で、上手く守れている」
守備のコンセプトは明快で「できるところまでアプローチして、苦しくなったら全体でブロックを作って耐える」(森脇)というもの。槙野も守備に自信を深めたようだ。
「今シーズンは、ゴール前で不要なファウルをしないことと、セットプレーを与えないというのを徹底している。ズルズル下がる守備ではなくて、リスクがあるけど、ボールを奪いに行く守備がウチの良さであって、それが数字にも出ている」
川崎の攻撃に怖さはなかった――。
浦和の選手たちは、一様に似たコメントを発している。柏木陽介は“川崎恐怖症”について「川崎に対して、少しビビッてやっていた部分が昔はあったのかな。『回されるな今日も』、みたいな感じがあったけど、逆に『今度は回そう』という気持ちがあった」と振り返る。もっとも、その恐怖症をようやく克服し、殻を破った感が漂う。
「守備もできるだけハメて、セカンドボールを拾い二次攻撃につなげる。今日ぐらい前に行きながら、ダメな時は引いてブロックを作る。そうやってメリハリをつけてやれば、どのチームにもやられない」(柏木)