対するリバプールにサプライズはないだろう。負傷中の主将ジョーダン・ヘンダーソン以外は、第１レグと同じメンバーでドルトムントを迎え撃つはずだ。
 
　ドルトムントにとって重要なのは、相手の最終ラインと中盤の底の選手との間に、迅速かつ正確にパスを配給できる選手を置くことだ。本来、それに打ってつけなのが香川だが、リバプール戦でその役割を担うのはイルカイ・ギュンドアンだろう。怪我から復帰したシャルケ戦で好パフォーマンスを見せたこのMFは、インサイドハーフ（あるいはトップ下）の香川よりも下がり目のポジションでプレーするが、パスセンスが非凡で、ドリブルというレパートリーも備えている。
 
　第１レグの視聴者数は5700万人に上り、これはELを生中継した『Sport1』という小さなテレビ局の新記録だそうだ。今週の木曜日、そのレコードが更新されなければ驚きだ。
 
　リバプールとドルトムントの一戦は、観る者を魅了するビッグマッチだ。ピッチ上でもベンチでも、記者席でも観客席でも、そこにいる誰もが“熱”を感じるだろう。スタンドから鳴り響く「You’ll never walk alone」の合唱のことを考えるだけで、私はもう鳥肌が立つ。
 
文：マルクス・バーク
翻訳：円賀貴子
 
【著者プロフィール】
Marcus BARK（マルクス・バーク）／地元のドルトムントに太いパイプを持つフリージャーナリストで、ドイツ第一公共放送・ウェブ版のドイツ代表番としても活躍中。国外のリーグも幅広くカバーし、複数のメジャー媒体に寄稿する。1962年７月８日生まれ。