• トップ
  • ニュース一覧
  • フランスとオランダに連勝。電撃代表復帰の34歳クロースがドイツ代表にもたらした絶大な効果とは?【現地発コラム】

フランスとオランダに連勝。電撃代表復帰の34歳クロースがドイツ代表にもたらした絶大な効果とは?【現地発コラム】

カテゴリ:連載・コラム

中野吉之伴

2024年04月02日

「数か月前だったら、失点で打ちひしがれてしまったかもしれない」(クロース)

“クロース効果”はフランスとオランダとの2連戦ではっきりとみられた。

 特にビルドアップからの出口作りが改善されたのが大きい。これまでのドイツ代表はビルドアップからの展開で手詰まりになる傾向があった。ナーゲルスマンはDFラインからダブルボランチへあてるパスを多用することで相手をひきつけてから中盤や前線にパスを送ることを志向。アメリカ遠征ではある程度うまくいっていたが、トルコ、オーストリアとの連戦ではここを潰されてしまうことが多いのが問題だった。

 クロースがビルドアップ時にディフェンスラインに下がることで、アントニオ・リュディガーとヨナタン・ターのCBコンビが余裕をもってボールを持てる機会が大幅にアップ。クロースの隣にはハードワークとボール奪取能力に長けたロベルト・アンドリヒ(レバークーゼン)が起用され、キャプテンのイルカイ・ギュンドアン(バルセロナ)、若き至宝フロリアン・ヴィルツ(レバークーゼン)とジャマル・ムシアラがオフェンシブトリオを構成。ギュンドアンがダブルボランチでクロースとコンビを組んでいたら、渋滞を起こしていたことだろう。
 
 クロースと縦関係を築き、「フロー(ヴィルツ)とジャマル(ムシアラ)がフリーにクリエィティブにプレーできるようにバランスを取るのが僕の仕事」と語るギュンドアンがパスコースを作り続けることで、それぞれの役割がうまく分散しているのもいい。

 ギュンドアンはこれまでの代表戦でも相手が守りにくいスペースにうまくポジショニングを取っていることが多々あったのだが、その動きをつぶさに見てくれる選手がいなかったのが問題でもあった。それがクロースから前線へ好タイミングで正確無比なパスが出てくることで、攻撃への移行もこれまでとは比較にならないほどスムーズに。

 久しぶりの代表活動を終えたクロースは、チームのパフォーマンスに納得の様子だった。

「ドイツ代表が非常に、非常に難しい時期から抜け出そうとしていることを知っている。この前の試合(フランス戦)から自信を引き継ぐことができたのは大きい。今日も出だしうまくいかなくても、勢いをうまく取り戻すことができた。数か月前だったら、失点で打ちひしがれてしまったかもしれない。だが、それは起きなかった。スピリットはチームから出てこなければならない。そしてそれを示すことができたと思う」
【関連記事】
「すげぇーな、20歳かぁ」内田篤人が感嘆した天才MFは?「アンダー20の子たちが...」
個性派集団を機能させる唯一無二の戦略家――クロースは何がすごいのか。「貢献度が分かりにいが...【現地発コラム】
「呼ぶんじゃないの」パリ五輪のオーバーエイジは誰を招集? 内田篤人は元日本代表FWの意見に異論も...「あいつは下ともうまくできるからね」
「賢くて、上手くて、強くて、速い」板倉滉が激賞した森保J戦士は?「やっていて凄いなと」
内田篤人が日本代表に呼んでほしい選手は? 「きっかけがあれば...」

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト いざアジア王者へ!
    5月10日発売
    悲願のACL初制覇へ
    横浜F・マリノス
    充実企画で
    強さの秘密を徹底解剖
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト シーズンラストの決定版
    5月16日発売
    2023-2024シーズン
    欧州5大リーグ
    BEST PLAYER
    元選手・識者たちが徹底討論!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ