このシーズン、チャンピオンズ・リーグ（CL）ではベスト16でクリスチアーノ・ロナウド擁するレアル・マドリーに敗れ、FAカップ、リーグカップはチェルシーの壁に阻まれて期敗退。獲得タイトルはリーグ優勝のみに終わった。
 
　しかし、ユナイテッド関係者やファンが、これに不満を示すことはなかった。
 
　なぜなら、名伯楽ファーガソンが「クラブが一番強い時に辞めるべきだと思っていた」と、勇退を表明したからだ。彼らの心には、指揮官への感謝と惜別の思いしかなかった。
 
　1986年から27年間にわたって辣腕を振るってきた名将は、時に選手と衝突しながらも、規律を重んじ、選手を巧みにモチベートして、ユナイテッドを欧州屈指のメガクラブに引き上げ、38個のタイトルを置き土産に長期政権を締めくくった。
 
　そしてユナイテッドは、ファーガソンという旗頭を失ったことで、迷走期に突入していくのであった。
 
☆ファーガソンが勝ち取ったタイトル
プレミアリーグ：13回（92-93、93-94、95-96、96-97、98-99、99-00、00-01、02-03、06-07、07-08、08-09、10-11、12-13 ）
FAカップ：５回（89-90、93-94、95-96、98-99、03-04）
リーグカップ：４回（91-92、05-06、08-09、09-10）
コミュニティ・シールド：10回（90、93、94、96、97、03、07、08、10、11）
チャンピオンズ・リーグ：２回（98-99、07-08）
カップ・ウィナーズカップ：１回（90-91）
スーパーカップ：１回（91）
トヨタカップ：１回（99）
クラブ・ワールドカップ：１回（08）
 

◎2012-13シーズン成績
リーグ：優勝（28勝５分け５敗・86得点43失点）
FAカップ：ベスト８（対チェルシー）
リーグカップ（カーリングカップ）：ベスト16（対チェルシー）
チャンピオンズ・リーグ：ベスト16（対R・マドリー）
 
チーム内得点ランキング（プレミアリーグ）：ファン・ペルシ（26点）、ルーニー（12点）、エルナンデス（10点）、香川（６点）、エブラ（４点）、ラファエウ（３点）、エバンス（３点）、クレバリー（２点）、ギグス（２点）、ビュットネル（２点）、ウェルベック（１点）、ナニ（１点）、フレッチャー（１点）、バレンシア（１点）、キャリック（１点）、スコールズ（１点）、アンデルソン（１点）、ヴィディッチ（１点）、ファーディナンド（１点）、パウエル（１点）
 
◎主なトランスファー
◇IN
DF ビュットネル（←フィテッセ）
MF 香川（←ドルトムント）
MF パウエル（←クルー＝FL2）
FW ファン・ペルシ（←アーセナル）
FW エンリケス（←ウニベルシダ・チレ）
 
◇OUT
GK クシュチャク（→フリー）
DF デラート（→レスター＝FLC）
MF パク・チソン（→QPR）
MF ポグバ（→ユベントス）
FW ベルバトフ（→フルアム）
FW オーウェン（→フリー）