「守って優勝できるのか――たぶんできない」と語った真意とは?
「守って優勝できるのか――たぶんできない」
自問自答するように大久保は断言した。とりわけ途中出場した鹿島戦の内容に思うところがあったようだ。「俺がいてもあまり良くないのに、俺がいなかったらもっとダメ」と辛辣で、「点が入る気がしないですからね、申し訳ないけど」と改善を訴える。
そのなかで口にしたのが「守って優勝できるのか」だった。決して守備を軽視しているわけではない。川崎の持ち味を最大限に発揮しなければ、タイトルには手が届かない――そう問いかけているのだ。
そして、根底にある課題が“自分たちの把握”だという。「自分たちを把握できていない部分が今年はある」と語ったのは、古代ギリシャの格言『汝自身を知れ』と同様の意味だろう。それは前述の「守って優勝できるのか」とも相通ずる。
もっとも「そんなに(チーム状態が)悪いわけではないので、あとは把握するだけ」と総括し、去り際には笑みを見せながら“余裕のひと言”を残した。
「まぁこれからですよ、これから」
取材・文:大木 勇(サッカーダイジェスト編集部)
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