【今日の誕生日】3月20日/世界を驚かせ続けている守護神――ビーサント(元イングランド代表)

カテゴリ:連載・コラム

サッカーダイジェストWeb編集部

2016年03月20日

ウィンブルドンで奇跡を起こし、55歳で新たな驚きを提供!

殊勲のPKストップ。このプレーの前、笑顔を見せていたビーサントは試合後、「(キッカーのオルドリッジが)蹴るコースとは逆の方向を見るという癖を知っていた」と、余裕の秘密を明かした。 (C) Getty Images

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 このように、当時のウィンブルドンは決して弱いチームではなかったが、それでも常にリーグ優勝を争うリバプールとの実力差は歴然であり、ウェンブリーでの一戦を前に、勝ち目があると考えるのは、ウィンブルドン・ファンのなかでも少数だった。
 
 この予想を覆すために、格下チームが仕掛けたのは、強烈なプレッシングと、リバプールのスタッフが「あれじゃあ、ボールが泣くよ」と皮肉ったほどの執拗なキック&ラッシュ。ここでは、ビーサントの驚異的なキック力が活き、リバプールDF陣は息つく暇もなかった。
 
 リズムを崩したリバプールに対し、勢いを強めたウィンブルドンは36分、ローリー・サンチェスのヘディングシュートで名手ブルース・グロベラーが守るリバプール・ゴールを破り、10万人近い観客をあっと言わせる。
 
 以降は1点を追うリバプールの猛攻が開始されたが、ここで彼らの前に立ちはだかったのがビーサント。神懸かりのセーブで次々にシュートを防ぐ。そしてハイライトシーンは60分に訪れた。PKという絶体絶命のピンチで、ジョン・オルドリッジのキックをセーブしたのだ。
 
 FAカップ決勝では初というPKストップは、リバプールの心を折り、ウィンブルドンは最大級の奇跡を実現させた。そしてビーサントは、キャプテンとして優勝トロフィーを受け取る栄誉を授かった。GKがセレモニーにおいて優勝チームの列の先頭に立つのも、史上初のことだった。
 
 立役者ビーサントは一躍注目を浴びる存在となり、翌シーズンよりニューカッスルでプレー。また、イングランド代表では2キャップを記録し、出場機会はなかったものの、90年イタリア・ワールドカップではメンバー入りも果たした。
 
 その後、チェルシー、サウサンプトン、ノッティンガム・フォレストなど、11ものクラブを渡り歩いた彼は、03-04シーズンにはフルアムでリーグ最年長にして50年代生まれの唯一の選手という記録を作る。
 
 さらに2年前には、当時GKコーチを務めていたスティブネイジという4部リーグのクラブで、55歳にしてメンバー登録され、サブとしてベンチに座ったことが大きなニュースにもなった(出場はなし)。
 
 記録と記憶に残るイングランドの守護神。そのキャリアは、栄光と驚きに満ちている。

負傷離脱したデイビッド・シーマンの代役として急きょメンバー入りした90年W杯。ベンチから、チームの快進撃を見守り続けた。 (C) Getty Images

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現役引退後はフルアム、北アイルランド代表、レディングなどでGKコーチを歴任。ちなみに息子のサムもGK。写真は昨シーズンのFAカップ3回戦で実現したウィンブルドン対リバプール戦(1-2)の会場にて(左側)。隣は88年に殊勲の決勝ゴールを挙げたサンチェス。かつて2人が在籍したウィンブルドン(FC)は03年に移転してミルトンキーンズ・ドンズとなっており、この(AFC)ウィンブルドンは移転反対派のサポーターが新設したクラブである。 (C) Getty Images

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