4年間に渡る研究を経て、ついに“敵”の排除に成功する。

「ナイキ アンティクロッグ トラクション」の技術を搭載した『マーキュリアル』。ナイキの他のサッカースパイク『ハイパーヴェノム』、『マジスタ』、『ティエンポ』でも展開予定だ。(C)NIKE

目を疑ったのが、このシーン。靴底に水をかけると、なんと見る見るうちに――。(C)NIKE
同じく今回が初お披露目となったのが、「ナイキ アンティクロッグ トラクション」だ。なんとこれは、サッカーやラグビーなど芝生でプレーするスポーツの選手にとって長年の敵となってきたスパイク底の“泥”を取り除く革新技術。ナイキが誇る4種類のサッカースパイク(『マーキュリアル』、『ハイパーヴェノム』、『マジスタ』、『ティエンポ』)に搭載したこのイノベーションを、ブラウ担当副社長はこう説明してくれた。
「これまではどんなに軽い素材を使い、スタッドの配置を調整しても、ピッチが荒れるとどうしても靴底に泥がまとわりついて、プレーに支障をきたしていました。選手を悩ます大きな弱点にもかかわらず、これまでどこのブランドもこれに正面から向き合ってこなかったのは、それくらい大きな難題だったからです。ですが、ナイキはちょうど4年前からこの“敵”を倒すための本格的な研究をはじめ、今回ついに商品化に成功したのです」
文字通り目を疑ったのが、ブラウ担当副社長が「日本メディアだけの特別ですよ」と言って見せてくれたトライアル。ポリマー性だというスパイクの靴底に、ペットボトルの水をジョボジョボとかける。すると、なんと見る見るうちに吸収されていったのだ。つまり水を弾くのではなく吸収することによって、泥から水分を取り除き、結果として靴底から泥を排除するのだという。
「試し履きをしてくれたパリ・サンジェルマンのチアゴ・シウバ、ダビド・ルイス、マルキーニョス、マクスウェルらは『信じられない。どんなコンディションの芝でも泥がまとわり付かない』と、感嘆してくれました。とくに彼らは、泥が生み出す大きな欠点であるスリップが即失点に繋がってしまうディフェンダーですからね。尚更このイノベーションを喜んでくれました」
今後、ナイキのスパイクすべてにこの技術が搭載されるわけではないが、将来的にはこれがスタンダードになる可能性もあるという。
これら新商品が発表された「イノベーション・サミット2016」は、現地時間3月17日も引き続き開催。はたして、次はどんな革新技術が発表されるのか――。
取材・文:白鳥大知(サッカーダイジェストWEB)
「これまではどんなに軽い素材を使い、スタッドの配置を調整しても、ピッチが荒れるとどうしても靴底に泥がまとわりついて、プレーに支障をきたしていました。選手を悩ます大きな弱点にもかかわらず、これまでどこのブランドもこれに正面から向き合ってこなかったのは、それくらい大きな難題だったからです。ですが、ナイキはちょうど4年前からこの“敵”を倒すための本格的な研究をはじめ、今回ついに商品化に成功したのです」
文字通り目を疑ったのが、ブラウ担当副社長が「日本メディアだけの特別ですよ」と言って見せてくれたトライアル。ポリマー性だというスパイクの靴底に、ペットボトルの水をジョボジョボとかける。すると、なんと見る見るうちに吸収されていったのだ。つまり水を弾くのではなく吸収することによって、泥から水分を取り除き、結果として靴底から泥を排除するのだという。
「試し履きをしてくれたパリ・サンジェルマンのチアゴ・シウバ、ダビド・ルイス、マルキーニョス、マクスウェルらは『信じられない。どんなコンディションの芝でも泥がまとわり付かない』と、感嘆してくれました。とくに彼らは、泥が生み出す大きな欠点であるスリップが即失点に繋がってしまうディフェンダーですからね。尚更このイノベーションを喜んでくれました」
今後、ナイキのスパイクすべてにこの技術が搭載されるわけではないが、将来的にはこれがスタンダードになる可能性もあるという。
これら新商品が発表された「イノベーション・サミット2016」は、現地時間3月17日も引き続き開催。はたして、次はどんな革新技術が発表されるのか――。
取材・文:白鳥大知(サッカーダイジェストWEB)

取材記者が「お会いするのはバルセロナでお話を伺って以来です」と挨拶すると、「覚えているよ。カンプ・ノウのスタンドだったよね。今回も日本から来てくれて、どうもありがとう」と笑顔で応えてくれたナイキ フットボール フットウェア担当副社長のブラウ氏。(C)NIKE