前線の３枚は、イラク戦の後半途中から勢いを与えた堂安律、上田綺世、前田大然のセットに期待したい。上田が中央で深みを作り、堂安がインサイドの選手と積極的に絡んでチャンスを作り、左側から前田が切り裂くという構成的な良さもあるが、自分たちが悪い流れを変えてやるんだという覇気も大事になってくる。

　また堂安を右で使うことで、毎熊の攻撃参加を促しやすい。逆に左サイドはシンプルなビルドアップから前田の突破力をどんどん活かす。インドネシアは５バックも想定されるので、中央をいきなりこじ開けるのはなかなか簡単ではない。

　最終的には中央の崩しでもいいが、左右のサイドを抉って相手の守備を開かせることを考えて、左から前田、右から毎熊が堂安と絡んで仕掛ける形を作りたい。

　もちろん、毎熊が右からクロスを上げれば、前田が２人目のストライカーとしてボックス内に飛び込んでくる形が生まれやすい。また旗手がセルティックの同僚である前田とともに、左インサイドハーフからアタックできればゴールにつながりやすいはず。
 

　試合の終盤には、ようやく全体練習に復帰してきた三笘薫がジョーカーになりうるが、願わくば早い時間帯にリードを奪って、ここから先に向けた試運転にしたいところだ。

　アジアカップを勝ち抜くうえで、理想が首位突破だったことは間違いないが、２位突破の場合に決勝トーナメントの１回戦で当たるE組１位に関しても、韓国がヨルダンと２－２で引き分けており、得失点差でヨルダンが首位に立っている状況だ。

　大手ブックメーカーでは、日本が優勝の本命、韓国が２番手だったが、中東開催でもあり、始まってしまえば何が起こるか分からないのがアジアカップだ。気持ちは引き締めつつも、前向きに切り替えて、ここからの勝利に全力で向かっていくことが大事になる。その意味でも、インドネシア戦のメンバーは重要な役割を担っている。

文●河治良幸

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