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伊藤涼太郎、元日タイ戦はスタメン抜擢も? アジアカップ参戦を見据え、何よりも目に見える結果が欲しい

カテゴリ:日本代表

元川悦子

2023年12月30日

絶対に逃したくないチャンス

「思い描いたようなプロサッカー人生を送れなかった」が、泥臭く這い上がってきた。「自分を信じて、もっと頑張りたい」と意気込む。写真:田中研治(サッカーダイジェスト写真部)

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 タイ戦で目に見える結果を残し、直後のアジアカップのメンバーに滑り込みを果たすべく、貪欲に泥臭く突き進む姿をぜひ見たい。

 代表初参戦でいきなりの国際試合となれば、当然のごとく難易度は高い。しかも、年代別代表で堂安律(フライブルク)、町田と一緒にプレーした経験があるだけで、佐野、奥抜、伊東、細谷など周囲を取り巻く面々との連係は皆無と言っていい。

 そのあたりを森保一監督も勘案し、選手個人の特徴を映像に落とし込み、30日のミーティングで見せたというから、伊藤涼は最大限の情報を頭に叩き込んでピッチに立つしかない。

「非常にレベルが高く、基礎技術も高い選手が多いので、初めてやっても違和感なくやれると思う。自分の特徴だったり、やりたいことを早くチームに落とし込んで、選手とコミュニケーションを取って、良いサッカーをしたいです」と本人はどこまでも前向きだ。
 
 同じ97年生まれの三笘薫(ブライトン)や前田大然(セルティック)が2021年夏の東京五輪、1年前の2022年カタール・ワールドカップで躍動している姿を目の当たりにし、強い危機感と悔しさと同時に、彼らへのリスペクトや感動も覚えたという伊藤涼。

 浦和レッズでは成功できなかったものの、水戸ホーリーホックや大分トリニータ、新潟での経験を力にして、ここまで這い上がってきた。そういう苦労人にとって、元日のタイ戦は特別な舞台。絶対に逃したくないチャンスと言っていい。

「ここまで長かったなというか、僕自身、思い描いたようなプロサッカー人生を送れなかったんですけど、それでも諦めずに自分のプレーをやり続けた結果、今がある。自分を信じて、もっともっと頑張りたい」と語気を強めた彼が初代表のゲームでどんな一挙手一投足を見せるのか。

 今季の前半戦の新潟で見る者を驚かせた推進力と決定力、多彩な攻撃バリエーションを印象付け、代表の攻撃陣に新たな可能性を示してほしいものである。

取材・文●元川悦子(フリーライター)

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