• トップ
  • ニュース一覧
  • 感動と笑いに包まれた引退試合。なぜ本山雅志はこれほど愛されたのか。タイトルから遠ざかる古巣への熱い思い

感動と笑いに包まれた引退試合。なぜ本山雅志はこれほど愛されたのか。タイトルから遠ざかる古巣への熱い思い

カテゴリ:Jリーグ

佐藤香織

2023年12月26日

登録メンバー一人ひとりに紹介文

巧みなテクニックは健在。“らしい”プレーで会場をわかせた。写真:福冨倖希

画像を見る

 ピッチでは、返礼イベントであるアントラーズOBとのキッズのゲームがもう始まっている。ほかにもクラウドファンディングに参加いただいた方々には、出場メンバーとのハイタッチ、特別シート、特別チケット、エスコートパーソン、ピッチ上での記念撮影、ボールパーソン、トークショーなど1日を通じてモトフェスを楽しんでいただく企画が用意されていた。

 マッチデープログラムもまた楽しい。「今日は来てくれてありがとうございます。僕よりも楽しんでくれると嬉しいです。本山雅志」と書かれた表紙。開くと登録メンバー一人ひとりに本山からの紹介文が付いている。

「ハリネズミを飼育していたんです(中村祥朗)」「激熱のうどん好き!(柳沢敦)」という愉快なものもあれば、「相手に背負われても足を出して守れる稀有なDF(昌子源)」や「周りの選手の動かし方をよく知っているし点も取れる、頭のいいCBでした(岩政大樹)」とプレースタイルを的確に評したものもある。

 そして、最後のページにはクラウドファンディングへの御礼。鹿島の未来のためにと、彼とアントラーズが楽しい引退試合を準備したことが分かる。

 神様ジーコの始球式から、いよいよ引退試合が始まった。豪華なスターティングメンバーのピッチの中に、見慣れない顔の選手がいる。なんとクラウドファンディングによってこの引退試合でピッチに立つ4名の方々だった。

 名良橋晃は下に着ていた東福岡高校時代の赤い10番のユニホームで笑いをさらう。 サポーターはOBも含めて、すべての選手の応援チャントをスタジアムに響かせる。何度もシュートをお膳立てしてもらった本山がやっとハットトリックを決めたところで試合終了。スタジアム全体は終始笑顔で溢れていた。

 引退セレモニー。スペシャルVTRが始まった。さすがに感動して本人もサポーターも涙に包まれる瞬間が来るはずだ。
 
 しかし、ピッチの真ん中にいる本山はといえば、まず44歳にして萌え袖だ。オリベイラ、ビスマルクなどスペシャルメッセージが流れると、そのたびにビジョンにお辞儀を繰り返す。

 時々ピッチサイドにいるご両親に向かって手を振る。見せ場の10冠、三連覇の映像では坊主頭の自分の姿に頭を抱える。まったく泣かせてもらえないまま引退セレモニーが終わってしまう。

 最後は鹿島アントラーズの伝統。ゴール裏のサポーターシートに登って赤いメガホンを持つ。

「応援ありがとうございました。今、アントラーズは6年間優勝から遠ざかっています。僕も5年間優勝できなかった時が一番辛かったです。でも折れずに頑張り続けて、そのあとの10度目の優勝、三冠につながりました。だから今きついですけど、いっしょに応援よろしくお願いします」

 自分の引退コメントというより、もはや鹿島アントラーズのスタッフからのお願いコメントである。
 
【関連記事】
「美男美女すぎます!」柴崎岳&真野恵里菜の夫妻が年イチ恒例の“Xマスツーショット”公開でファン喝采!「憧れご夫婦」「癒されました~」
「一貫性がない」鹿島OBが岩政退任に苦言!「本当に危機感を持ってチームを強くしたいのか」
なぜ鹿島は柴崎岳を求めたのか。チームの矢印を明確にできる存在。「満男さんじゃないけど...」強力なリーダーシップに指揮官も期待
「本山2世はすぐに出てくる」鹿島のレジェンド本山雅志が後継者に期待!「いますよ、たくさん。本当に」
「一番のライバルは小野? 小笠原?」“黄金世代”本山雅志の回答は?「彼らが引き上げてくれた」

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト いざアジア王者へ!
    5月10日発売
    悲願のACL初制覇へ
    横浜F・マリノス
    充実企画で
    強さの秘密を徹底解剖
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト ガンナーズを一大特集!
    5月2日発売
    プレミア制覇なるか!?
    進化の最終フェーズへ
    アーセナル
    最強化計画
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ