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感動と笑いに包まれた引退試合。なぜ本山雅志はこれほど愛されたのか。タイトルから遠ざかる古巣への熱い思い

カテゴリ:Jリーグ

佐藤香織

2023年12月26日

幼馴染がさらにビビる事態に

本山の引退試合には多くの名手が駆けつけた。写真:福冨倖希

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 鹿島アントラーズの10番のまま引退することを拒み、納得いくまでサッカーを続けることを選んだ6年前から、彼の幼馴染はよく言っていた。

「もっさんの引退試合は地元福岡で俺らが仕切ってやる。だからそれまでは思う存分、どんなチームでもいいから、できるだけ長く、あの人にはサッカー選手をやっていてほしい」

 自分は指導者や監督になる気はないからとA級、S級のライセンスを取らず、現役でサッカーをすることが一番楽しいと語っていた。きっと50歳くらいまで現役を続けて、最後は仲間に囲まれた小さな引退試合で現役を終えるのだろう――。

 そんな彼らしい謙虚な現役引退を想像していたのだが、現実はまったく違っていた。

 本山雅志の引退試合「モトフェス2023」から1か月以上が経っても、だまされたような気分が消えない。彼は本当に引退したのだろうか。なにかこのあと伏線回収があるんじゃないか。

 昨年末、本山はマレーシアのチームの契約を終えて帰国。しばらく次のチームが決まらなかったが、自分から積極的に次のチームを探していなかった。いつものことだ。彼は頑として代理人をつけない選手だった。自分に直接オファーをくれるチーム、求めてくれているチームを自分で直接見て決定する。

 敏腕代理人と契約していたら、必ずワールドカップに行けただろうと考えると非常に残念だが、これも本山雅志だから仕方がない。

 マレーシアでプレーする前の2020年にも、1年間プロサッカー選手としてプレーせず、実家の本山鮮魚店を手伝っていた。今度もまたひょっこり、次のチームが決まるだろうと思っていた。

 引退の連絡をくれたのは3月末。

「鹿島のスカウトをお手伝いすることになったから、ちゃんと引退発表しないとね。引退試合もちゃんとやることにしたから」
 
 咀嚼すると、おそらくこうである。

→鹿島は功労者である本山の動向をずっと案じて見てくれていた。指導者をやらないならスカウトはどうかとオファー。まずは北九州の実家を拠点とし、鹿嶋でも定期的に活動する内容を提示。 

→鹿島のためになるならと本山は現役続行より引退と引退試合、アントラーズアカデミースカウトへの就任を決めた。

 10月になったある日、前出の幼馴染、現ヴィッセル神戸YPDコーチである宮原裕司から連絡が来た。

「第一弾“モトフェス”出場メンバーの発表見た? 俺以外、全員鹿島出身とか日本代表だった人なんだけど。ジーコさんまでいるし。俺、行って大丈夫かな」

 フェス??? 

 その後、現役選手の出場メンバーが追加発表され、宮原がさらにビビる事態となる。今季で引退を発表した小野伸二をはじめ、優勝争いをしている神戸の大迫勇也まで名を連ねた。

 モトフェス当日は、開場前からカシマスタジアムの周りは真っ赤に染まる。本山が好きな言葉「感謝」が書かれた記念Tシャツは開場前に売り切れ、他のグッズも午前中には完売。

 スタジアムに入ると、コンコース柱で本山雅志写真展が施され、すべてを追いきれないほどのイベントがあちこちで行なわれていて、試合前からすでに楽しい。

【厳選PHOTO】小野、内田、ジーコら豪華レジェンドが集結!聖地カシマスタジアムでラストダンス!本山雅志の引退試合
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