• トップ
  • ニュース一覧
  • W杯に熱狂することは死にも関わる問題【サイモン・クーパーが綴る戦時下のフットボール|中編】

W杯に熱狂することは死にも関わる問題【サイモン・クーパーが綴る戦時下のフットボール|中編】

カテゴリ:ワールド

サイモン・クーパー

2023年12月09日

中枢はビーチサッカーも盛んなガザに

 当初は選手集めに苦労した。そこでPFAは多くの小国と同じように、諸外国に住むパレスチナ人の招集に奔走。06年のドイツW杯予選前、PFAはドイツの雑誌『キッカー』に広告を出し、パレスチナ出身選手の代表招集を呼びかけた。

 また、チリのプロクラブ、CDパレスティーノから多くの選手を呼び寄せることにも成功した。パレスティーノは文字通り、パレスチナ移民が1920年に立ち上げたクラブで、ユニホームもパレスチナカラーだ。

 2010年代に入ると、「カナーンのライオンたち」の愛称を持つパレスチナ代表は、地元に住む選手に重きを置くようになる。彼らにとって最大の問題(それはパレスチナの国家的問題でもある)はパレスチナ人たちがイスラエルの中で、ウエストバンク(ヨルダン川西岸)とガザのふたつの地域に分かれて暮らしていることだ。パレスチナ人はこの2地域を気軽にふらりとフラっと行き来できるわけではない。

 パレスチナフットボールの中枢は、ビーチサッカーも盛んなガザにある。しかしガザの選手たちが、ウエストバンクにある煌びやかでモダンなスタジアムに行くのは簡単ではないのだ(パレスチナがフットボールに使える予算は不当に少ない)。

【後編】に続く

文●サイモン・クーパー
翻訳●豊福 晋

※『ワールドサッカーダイジェスト』2023年11月16日号の記事を加筆・修正

「俺はもうサッカーは一切見ない」中田英寿が指摘する現代フットボールの問題点「分かっていない人が多い」

「親父が自己破産して」「古びたアパートに」内田篤人、元日本代表DFの壮絶な過去に驚愕!「すげぇ。映画化だ」
 
【関連記事】
命を奪われたイスラエル人フットボーラー【サイモン・クーパーが綴る戦時下のフットボール|前編】
「謝罪はどこにある?」ドイツのご意見番が親パレスチナ投稿を弁明のマズラウィと古巣にチクリ「幹部連中はどこだ?」
物議をかもすインスタ投稿のモロッコ代表DFにお咎めなし!反ハマスのバイエルンが声明を発表「テロと戦争に断固反対を誓ってくれた」
「子供たちに何を残したいか。戦争を止めろ」吉田麻也が“長崎原爆の日”に平和への願いを発信「1年に一度は考えてみよう」
「これは始まりに過ぎない」ムドリクの豪快な一発!ウクライナ代表初得点にファン歓喜「まだまだ続く」「彼は化けます」

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト いざアジア王者へ!
    5月10日発売
    悲願のACL初制覇へ
    横浜F・マリノス
    充実企画で
    強さの秘密を徹底解剖
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト シーズンラストの決定版
    5月16日発売
    2023-2024シーズン
    欧州5大リーグ
    BEST PLAYER
    元選手・識者たちが徹底討論!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ