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鹿島レジェンド本田泰人が森保Jを採点!|勝因は“明らかにレベルが違う”久保と伊東。唯一の不安は「三笘の代役探し」【シリア戦】

カテゴリ:日本代表

本田泰人

2023年11月24日

三笘がアジアカップ不参加なら...

シリア戦で左サイドハーフを担った浅野。ゴールの起点となるプレーもあったが、三笘の存在感を補えるような働きとは言えず。(C)Getty Images

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 ゲームの内容に話を戻せば、32分の久保の先制点以降、シリアの緊張感の糸が切れたのか、攻撃の姿勢を出さざるを得なかったのか、相手の守備に隙が生まれた。

 日本はそこを見逃さず、37分に浅野拓磨、伊藤洋輝、伊東とつないだ崩しを上田綺世が仕上げて2点目。40分には久保のスルーパスに反応した伊東のクロスに再び上田が合わせて3点目を奪った。ストライカーとして結果を残した上田も、もちろん評価に値する出来だった。

 攻撃陣で唯一、リズムの違いを感じたのが、左サイドハーフの浅野だった。久保を中心にテンポ良くパスが回るなか、浅野が流れをせき止めなければ、よりスムーズに攻撃できたはずだ。ただ、本職ではないポジションでのプレーだっただけに、責めるのも酷だが、攻撃陣の中で唯一、採点を下げた形となった。

 かつては中東での試合になると、独特の雰囲気やのらりくらりとしたプレーに飲まれ、ペースを乱されることもあったものだ。しかし、今の日本にはそんな弱さがない。後半以降もリズムを保ちながら追加点を奪い、完勝した。

 無失点に抑えた守備陣も減点材料はほとんどない。むしろミャンマー戦とは違って、CBコンビを組んだ冨安健洋と谷口彰悟がビルドアップに貢献できていた点は好材料だ。

 ボールロスト後の切り替えも、シリア戦のほうが速かった。カウンターを受ける前に素早くボールを奪い返す力は日本の武器のひとつであり、相手のシュート1本に抑えた最大の要因だ。

 全員が必死でボール保持者に圧をかける強度の高さも、シリアの2倍、3倍も上回っていたように感じる。遠藤航、守田英正のダブルボランチは運動量も多く、隙を見せない怖さがあった。ふたりからすれば普通にプレーしていただけかもしれないが、シリア相手だと貫禄さえ感じてしまう。

 両サイドバックの出来もまずまずで、菅原も伊藤もスピードで相手を圧倒し続けた。ゴールキーパーの鈴木彩艶も、守備機会は少なかったものの、新人らしからぬ落ち着き払ったプレーが印象深い。

 さらに菅原と細谷真央は代表初ゴールを記録。来年1月のアジアカップに向けて明るいトピックが目立つ試合だった。全体的に見れば、途中出場の選手を含め、多くの選手が及第点以上のパフォーマンスだったのではないか。
【厳選ショット】久保!上田×2、菅原、細谷!圧巻のゴールショーで年内最終戦を勝利で締めくくる!|W杯アジア2次予選 シリア 0-5 日本
 あえてアジアカップに向けた課題を挙げるとしたら、三笘薫のバックアッパーを見つけられなかったことだ。

 ミャンマー戦では相馬勇紀、シリア戦では浅野が左サイドハーフで先発した。いずれもそこまで悪い出来ではなかったが、三笘のように常に相手の脅威となっていたかと言われれば、答えは「NO」だ。

 アジアカップではイランや韓国、サウジアラビアといったアジアの強豪国と戦うことになる。ミャンマーやシリアなどのレベルのチーム相手に特大のインパクトを残せなかったのだから、やはり不安が残ると言わざるを得ない。

 三笘がアジアカップに参戦できれば、左サイドは日本の最大の武器となる。しかし、三笘が不在の場合は、ウィークポイントとまではいかないものの、攻撃力は半減する。

 さらに左サイドバックの伊藤も本職ではなく、人選も流動的なだけに、左サイドの「代役探し」は持ち越し課題だ。

 今後、予定されている強化試合は来年1月1日のタイ戦だけだ。繰り返しになるが、アジアカップで三笘が参戦できなければ、左サイドハーフの2番手の活躍が、アジアカップ優勝の鍵を握るかもしれない。

【著者プロフィール】
本田泰人(ほんだ・やすと)/1969年6月25日生まれ、福岡県出身。帝京高―本田技研―鹿島。日本代表29試合・1得点。J1通算328試合・4得点。現役時代は鹿島のキャプテンを務め、強烈なリーダーシップとハードなプレースタイルで“常勝軍団”の礎を築く。2000年の三冠など多くのタイトル獲得に貢献した。2006年の引退後は、解説者や指導者として幅広く活動中。スポーツ振興団体『FOOT FIELD JAPAN』代表。

【PHOTO】日本代表のシリア戦出場16選手&監督の採点・寸評。スコアラーと指揮官に7点台の高評価。MOMは4Aの14番

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