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負傷者続出のボランチ。ミャンマー戦は遠藤&田中のコンビか。鎌田の抜擢も一案、守田の起用には慎重になるべき

カテゴリ:日本代表

元川悦子

2023年11月15日

アジア予選特有の課題

軸は遠藤で変わりない。キャプテンの強靭なフィジカルとタフさは折り紙付きだ。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部)

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 遠藤と田中の2人に加えて、今季赴いたラツィオでインサイドハーフを主戦場とする鎌田大地をボランチ起用するのも一案ではないか。その場合は遠藤とのコンビになる可能性が大だが、鎌田の組み立て能力やパスセンスは、膠着状態に陥りがちな日本攻撃陣にとって心強い武器になるだろう。

 ご存じの通り、鎌田は今のラツィオでは定位置を確保できておらず、プレー時間も少ないため、コンディション面の懸念はある。それでも本人は9月以来の代表活動で浮上のきっかけを掴みたいという思いが強いはずだ。

 好調の久保建英(レアル・ソシエダ)と南野拓実(モナコ)がいるトップ下で競争するよりも、一列下がってプレーしたほうが、クラブでの経験値も還元しやすい。そういったメリットを加味しつつ、鎌田の起用法を決めてほしい。

 もちろん、守田が2試合連続でフル稼働できる状態であれば、彼と遠藤で押し通すのが無難ではある。ただ、中立地でのシリア戦は何が起きるか分からない。万が一、遠藤がプレーできない事態に陥ったら、それこそボランチ陣のバランスが崩れてしまいかねない。

 そんな最悪のシナリオを想定しながら、田中や鎌田を上手く組み合わせ、2連戦を戦い抜くことを森保監督は考えるべきだ。
 
 誰が出場しても、ミャンマー戦は自陣に引いてくる相手を崩すというアジア予選特有の課題に取り組まなければならないのは確か。そこは守田も最も強調していた点だ。

「相手が守備の人数をかけてきて、ボックス内に9人、10人いるというのは、なかなか点を取るのは難しい。最近の僕らは立ち位置だったり、ボールの動かし方だったり、ちょっとキレイなテンポ感とかを意識しがちだけど、シンプルに“タテポン”とか、背後に蹴って人を走らせるとか、大胆な力強いサッカーもできないといけない。相手が『怖い』『嫌だ』と感じないんだったら、それは間違いだから」

 守田が神妙な面持ちでこう語ったように、ボランチ陣も良い組み立てやパス回しばかりに気を取られていたら、自ら苦戦を招くことになるかもしれない。

 そうならないようなゲームコントロールやチャンスメイクをボランチ陣には強く求めたい。頭脳的なプレーで、W杯予選初戦は苦戦するというジンクスをしっかりと断ち切ってほしいものである。

取材・文●元川悦子(フリーライター)

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