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父親は元日本代表でレジェンド。G大阪ユースMF遠藤楓仁は生まれながらの“宿命”とどう向き合っているのか。「苦しんでいたのは事実。でも...」

カテゴリ:高校・ユース・その他

安藤隆人

2023年08月12日

「理想はやっぱり父のような選手になりますよね(笑)」

「理想はやっぱり父」。照れながらもそう口にした。写真:安藤隆人

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 クラブユース選手権決勝をきっかけに『遠藤保仁の息子』という目が再燃をしたが、自分自身と向き合う姿勢を崩さなかった。

「今の僕は本当に不完全燃焼なんです。今年は高校最後の1年なのに膝を怪我して、プリンスリーグ関西はほとんど出られませんでした。だからこそ、クラセンにかけていました。コンディションを万全にして、本調子で臨もうと気持ちを入れていたんです」

 クラブユース選手権、グループリーグ初戦のFC東京U-18戦はスタメンフル出場を果たした。2戦目のジュビロ磐田U-18戦でもスタメンフル出場をするが、その後にコンディションを崩し、プレーできない状況になり、次の試合からはベンチ外になってしまった。ボランチのポジションにはライバルでもある宮川が入り、チームの快進撃の原動力となる姿を外から見つめることしかできなかった。

 だが、準決勝のファジアーノ岡山U-18戦でベンチ入りを果たすと、「本当は決勝も出られなかったはずだったのですが、仲間が本当に支えてくれて、町中大輔監督も起用してくれた」と振り返ったように、決勝では3-3で迎えた延長前半に宮川に代わって投入。延長戦をフルにプレーし、そして前述したPKキッカーとして優勝を決めた。

「チームに迷惑をかけてしまった分、これから取り返したいと思います。宮川はジュニアユースの頃からずっと一緒にやってきて普段はめちゃくちゃ仲がいい。でも、彼は代表に選ばれていますが、僕は選ばれていないので、そこのライバル意識は常に持っています。ここからだと思っています」
 
 和倉の地で真摯にサッカーに向き合う遠藤楓仁。実際に試合を見ても、彼はピッチの中央で背筋がピンとした姿勢から常に周りを見渡して、チームを落ち着かせるボールキープとパス、そして攻撃のスイッチを入れる意表を突くパスを披露。そのプレーはやはり父に似ていた。

「一つのパスで試合を変えられる選手になりたいです。僕は身体がデカいわけではないし、ゴツくないし、速くはない。でも、それを持っている選手たちに勝たないとこれからはいけない。頭、ゲームを読む力で相手を上回りたいと思っているので、攻撃面では常に僕は相手のセンターバックを見ています。

 ボールをもらう前に相手のセンターバックを見たら、相手の狙いがわかるので、どこが空いているか、どこにいるか。センターバックと駆け引きをして、センターバックはフォワードについていくものですが、そうじゃなくて、意識をボランチの自分に向けさせて、パスやトラップでずらしたい。

 相手ボランチやフォワードがプレスバックをしてきた場合は、ボランチの一方のポジションを把握して、そこにパスをつけながら前に出る。あまり僕はドリブルができないので、ファーストタッチで剥がすか、パスでシンプルに散らすことを考えています。僕は敢えてバックパスをしようと思っていて、そうすることによって結構裏が空くので、バックパスは有効的に使うようにしています。

 見えたうえで、バックパスを選択肢に入れる。バックパスをしたら『こいつボールを出してこないじゃないか』と思うじゃないですか。そこで一発で出すことを意識しています」

 彼が語るプレーイメージはまさに遠藤保仁が得意とし、見ているイメージだった。それを伝えると、本人は笑みを浮かべながら、「そうなんです。理想はやっぱり父のような選手になりますよね(笑)。どれだけ否定をしたとしても、やっぱりそこに行き着くんです」と照れながらも口にした。

 運命に抗うのではなく、受け入れて自分の成長につなげていく。目標を定め、そこに近く努力を具体的に考えながら日々を過ごす遠藤楓仁の和倉での決意をここに記す。

取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)

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