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【プレミア現地コラム】今シーズンの気になる男。自称「猛烈で強烈な点取り屋」のCFが、ニューカッスルの新たなカルトヒーローに?

カテゴリ:連載・コラム

山中忍

2016年01月16日

好意的に解釈すれば情熱のほとばしり。

ミトロビッチは空中戦で本領を発揮する典型的な9番タイプ。周囲のクロスの精度が高まれば、ゴール数はおのずと増えるはずだ。 (C)Getty Images

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  21節を終えたプレミアで17試合・4得点の新FWには、「得点不足」の声がある。そして、チームが序盤戦でリズムに乗り損ねる原因となった4節での一発退場――。
 
 移籍前から警告の多さが指摘されていた21歳は、その片鱗を開幕戦でも見せていた。途中出場でプレミア・デビューを飾った5秒後に、レッドカードを突きつけられても言い訳できない危険なタックルを相手に見舞ったのだ。
 
 もっとも、それは好意的に解釈すれば情熱のほとばしり。ミトロビッチは自称「猛烈で強烈な点取り屋」だ。メンタルコントロールの必要性は本人も認めており、出場停止明けの7節チェルシー戦(2-2)では、プレーで“合法的”に敵を脅かし続けた。解説者で元ニューカッスルの英雄、アラン・シアラーに「気に入った」と言わしめるほどに。
 
 スタメン定着への転機となった16節トッテナム戦(2-1)でのゴールも、相手DFに羽交い締めにされながらも、ゴールマウスへとにじり寄って押し込んだ執念の1点だった。
 
「点取り屋」としての影が薄い背景には、チームの問題もある。ミトロビッチは「クロスが好物」と語る典型的な9番タイプ。ところが21節を終えて19位のニューカッスルは、チャンス創出回数(157)が20チーム中ワースト2位なのだ。
 
 血気盛んで勢いがあるゆえに、もっと「頭(脳)を使え」と指摘されるミトロビッチだが、チームメイトたちはクロスの精度を上げて彼の「頭を使う」べきだ。
 
 そうすれば、「シアラーのようになりたい」と発言した入団当初からファンの心に訴え続ける若きCFは、降格回避の立役者となってカルトヒーローの地位を確立し得る。
 
文:山中忍
 
【著者プロフィール】
山中忍/1966年生まれ、青山学院大学卒。94年渡欧。イングランドのサッカー文化に魅せられ、ライター&通訳・翻訳家として、プレミアリーグとイングランド代表から下部リーグとユースまで、本場のサッカーシーンを追う。西ロンドン在住で、ファンでもあるチェルシーの事情に明るい。
 
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