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【高校女子選手権】9年ぶりの頂点を極めた藤枝順心。世界MVPを擁しても届かなかった日本一を実現できた理由

カテゴリ:高校・ユース・その他

西森彰

2016年01月11日

個の能力では昨年のチームが上回るが、したたかな勝負強さを身につける。

決勝で2ゴールを決め、優勝に大きく貢献した肝付。藤枝順心は技術だけでなく、プレーの力強さでも光るものがあった。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 肉を切らせて骨を断つ藤枝順心の仕掛けに苦しみ、神村学園の足がいつもより早く鈍り始める。それを看破した藤枝順心の各選手は、相手を背走させるボールを連続して蹴り始めた。
 
 60分、岩下のロブが相手DFの処理ミスを誘い、肝付が同点ゴール。その6分後には2得点の肝付が最終ライン裏へボールを送り、そこに飛び出してきたFW出身の安倍由紀夏がダイレクトで合わせ、逆転に成功。その後は、丁寧にリスクをコントロールし、3-2で逃げ切った。
 
 試合後、ミックスゾーンに現れた寺師監督は、清々しい表情で敗戦の弁を述べた。
 
「ボール回しだけでなく、球際の強さや運動量など、すべての面で相手が少しずつ上回っていましたから完敗です。選手たちは力を出し切ってくれたし、悔いはありません」
 
 U-17女子ワールドカップMVPの杉田妃和(INAC神戸レオネッサ)は、藤枝順心OGとして、後輩の優勝をスタンドで見届けた。
 
「みんな、かっこよかったですね。なにより、決勝で勝つのはすごいと思いました。自分たちの世代は、ポゼッションするところまではできましたが、シュートを決めるところまでは行きませんでした。決めるところをしっかり決めていたのがすごいと思いました」(杉田妃和)
 
 仮に芸術点を競えば、杉田の率いた昨年のチームが遥かに上回る。それは指揮官だけでなく、選手も理解していた。だからこそ、勝つための努力を謙虚に怠らなかった。それが、華麗なだけでなく、したたかな勝負強さを身につけさせた。
 
「今年のチームは、そうしなければ勝てなかったはず。1年前、2年前のチームで勝てるゲームを落とした経験がここで活きました。今年のチームには、たくさんの引き出しがある。私がミーティングで『こうしよう』と言ったことを、ひとつずつ、きちんと実行できる。その実行能力が、他の学校を上回ったのだと思います」(多々良和之監督)
 
 挑戦者としてスタートしたチームは、史上最高のチームでさえ届かなかったタイトルを手に入れた。
 
取材・文:西森 彰(フリーライター)
 
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