テレビの視聴率は32.4%。いまだJリーグ試合で最高記録
待望の開幕カードは、ヴェルディ川崎(現東京ヴェルディ)と横浜マリノス(現横浜F・マリノス)という、人気、実力とも当時の日本を代表する二強の顔合わせ。Jリーグにつながる日本サッカーリーグの最後の4シーズンでは、1988-89、89-90年が横浜Mの前身である日産自動車の連覇、続く90-91、91-92年はV川崎の前身の読売サッカークラブが連続優勝。天皇杯でもJリーグ開幕前の10大会で読売クが優勝3回、日産が同6回など、大舞台での大役を担うにふさわしい実績を誇るライバル対決だった。
栄えある舞台に立った両チームの選手も記しておこう。松木安太郎監督率いるV川崎がGK:菊池新吉、DF:中村忠、ペレイラ、加藤久(79分、阿部良則)、都並敏史、MF:柱谷哲二、ハンセン、ラモス瑠偉、FW:マイヤー、武田修宏(45分、北沢豪)、三浦知良。清水秀彦監督が指揮を執る横浜MがGK:松永成立、DF:平川弘、勝矢寿延、井原正巳、小泉淳嗣、MF:野田知、エバートン、水沼貴史、木村和司、ダビド・ビスコンティ、FW:ラモン・ディアスという顔触れだった。
当時は2ステージ制で、その第1ステージとなるサントリーシリーズの開幕戦は19時29分、小畑真一郎主審のホイッスルでキックオフ。先手を取ったのはV川崎で、19分にオランダ国籍のマイヤーが左サイドからのカットインで鮮やかな右足シュートを対角に突き刺した。もちろん、これが記念すべきJリーグ最初の得点。この試合を実況したNHKのアナウンサーだった山本浩は「試合のときは緊張したのか、『これがJリーグ第1号ゴール』とは言ってないんです。すっかり忘れているんですね」と振り返っている。
後半に入ると横浜Mのエンジンがかかる。その開始直後の48分、日産時代からプレーするブラジル人のエバートンが、マイヤーと同じような角度から右足で同点ゴールを決めた。さらに59分、水沼が放ったシュートをGKがはじいたところに詰めたディアスが蹴り込み、逆転に成功した。
その後、5万9626人の観衆が見守った試合はスコアが動かず、横浜Mが記念すべき一戦を2-1で制した。テレビの視聴率は32.4%。ビデオリサーチによれば、これはJリーグの放送で現在も破られていない最高視聴率である。10クラブでスタートしたJリーグは翌5月16日、残る8チームがそれぞれの開幕戦に臨み、本格的に戦いの火ぶたを切った。
栄えある舞台に立った両チームの選手も記しておこう。松木安太郎監督率いるV川崎がGK:菊池新吉、DF:中村忠、ペレイラ、加藤久(79分、阿部良則)、都並敏史、MF:柱谷哲二、ハンセン、ラモス瑠偉、FW:マイヤー、武田修宏(45分、北沢豪)、三浦知良。清水秀彦監督が指揮を執る横浜MがGK:松永成立、DF:平川弘、勝矢寿延、井原正巳、小泉淳嗣、MF:野田知、エバートン、水沼貴史、木村和司、ダビド・ビスコンティ、FW:ラモン・ディアスという顔触れだった。
当時は2ステージ制で、その第1ステージとなるサントリーシリーズの開幕戦は19時29分、小畑真一郎主審のホイッスルでキックオフ。先手を取ったのはV川崎で、19分にオランダ国籍のマイヤーが左サイドからのカットインで鮮やかな右足シュートを対角に突き刺した。もちろん、これが記念すべきJリーグ最初の得点。この試合を実況したNHKのアナウンサーだった山本浩は「試合のときは緊張したのか、『これがJリーグ第1号ゴール』とは言ってないんです。すっかり忘れているんですね」と振り返っている。
後半に入ると横浜Mのエンジンがかかる。その開始直後の48分、日産時代からプレーするブラジル人のエバートンが、マイヤーと同じような角度から右足で同点ゴールを決めた。さらに59分、水沼が放ったシュートをGKがはじいたところに詰めたディアスが蹴り込み、逆転に成功した。
その後、5万9626人の観衆が見守った試合はスコアが動かず、横浜Mが記念すべき一戦を2-1で制した。テレビの視聴率は32.4%。ビデオリサーチによれば、これはJリーグの放送で現在も破られていない最高視聴率である。10クラブでスタートしたJリーグは翌5月16日、残る8チームがそれぞれの開幕戦に臨み、本格的に戦いの火ぶたを切った。
2008年12月に行なわれた川淵と三浦(カズ)の対談で、そのインタビュアーを務めた山本が、5月15日を「Jリーグの記念日にしたらいかがですか」と水を向けると、川淵は「ある程度の時間が経ったら、そういうのができてもいいかもしれない」と答えている。それが実現したのは開幕20周年の2013年。「Jリーグの日」として、日本記念日協会に登録されたのだ。
その対談で「祝日にはならないですかね、国の」とカズは言って、笑いを誘った。
(文中敬称略)
(参考)
『財団法人日本サッカー協会75年史』(1996年、日本サッカー協会)
『J.LEAGUE 1992-2008』(2009年、日本プロサッカーリーグ)
『J.LEAGUE NEWS』vol.265(2018年、日本プロサッカーリーグ)
文●石川 聡
【動画】マイヤーの鮮烈弾に国立が揺れた! 栄えある「J第1号ゴール」をチェック
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その対談で「祝日にはならないですかね、国の」とカズは言って、笑いを誘った。
(文中敬称略)
(参考)
『財団法人日本サッカー協会75年史』(1996年、日本サッカー協会)
『J.LEAGUE 1992-2008』(2009年、日本プロサッカーリーグ)
『J.LEAGUE NEWS』vol.265(2018年、日本プロサッカーリーグ)
文●石川 聡
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