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【クラブW杯】再び広島に敗れたオークランド・シティの岩田卓也。しかし、“非エリート”の物語はまだまだ終わらない――

カテゴリ:国際大会

白鳥大知(サッカーダイジェストWEB)

2015年12月11日

パーソナリティーを失わない限り再び…。

額に7針縫うほどの傷を負い、目の下も腫れ上がったが、岩田は最後の最後まで戦い続けた。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 それでも、何度やられても心だけは折れなかった。85分には柏の膝が当たって額から流血したが、すぐに包帯に巻いてピッチに戻る。そして、空中戦では躊躇なくヘディングにいくなど、最後までファイトした。
 
「(試合後に)7針縫いました。負けている状況が何より悔しかったし、今日は個人的に満足のいくプレーができていなかったので、怪我のことは気にせずとにかく全力で戦いました。少し視界が悪くてやりづらい面はありましたけど、恐怖はなかったです」
 
 敗退を告げるホイッスルが鳴り響いた後も、とにかく貪欲だった。なんと、マッチアップした柏に話しかけ、アドバイスを求めたというのだ。
 
「僕は(柏が)すごくやりにくかったので、『どういう対応だとやりにくいですか?』って聞きにいきました。今後の自分のためにアドバイスをもらったんです」
 
 お世辞にも恵まれた環境とは言えない。流血後にピッチに戻る際、ユニホームには背番号が入っていなかった。
 
「僕らはプロではないのでお金がなくて、(背番号入りの)替えのユニホームがないんです。プロだとスペアがあって、今日みたいに雨が降っていればハーフタイムに替えると思うんですけど、僕らは1枚で戦っています」
 
 怪我や環境をモノともしない不屈の精神、そして対戦相手にもアドバイスを求める謙虚さ――。テクニック、フィジカルと並んでフットボーラーにとって重大要素であるメンタルの強さ、つまりはパーソナリティーを失わない限り、岩田はさらに一皮むけて、再びクラブワールドカップに戻ってくるかもしれない。
 
「個人的には4回目で、集中はしていたが、変に慣れた感じがあった。反省点です。チームとしてもリラックスしすぎていた。もっとしっかり試合に向けて気持ちを高めていきたい」
 
“非エリート”の成り上がり物語は、まだまだ終わらない。
 
取材・文:白鳥大知(サッカーダイジェストWEB)

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