【浦和】ビッグチャンスを逃した武藤。責任を感じて口を突いた言葉は…

カテゴリ:Jリーグ

轡田哲朗

2015年11月28日

ロッカールームでは、「決め切れずにすいません」と頭を下げた。

「120分を通して、誰よりも走って戦ってくれていたと思う」。流通経済大の先輩にあたる宇賀神は、そう武藤を気遣った。 写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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「試合に負けたことは悔しかったし、あれを決めていればという気持ちがすぐに出てきた」

 すべてが終わってしまったロッカールームで、浦和の選手たちは静かだったという。普段のリーグ戦の敗戦後であれば、次のゲームに向けて修正点などを話し合う場だ。しかし、この日は違う。今季J1のすべてが終わってしまったのだ。

 その場でも、武藤は「最後にビッグチャンスがあって、決め切れずにすいません」とチームメートに頭を下げていたのだという。

 流通経済大の先輩であり、今季から加入した武藤がチームに溶け込めるように様々に気を配った宇賀神は、「120分を通して、誰よりも走って戦ってくれていたと思う」と、後輩を気遣った。

 宇賀神は、ロッカールームの様子をこう話した。

「みんな黙って考えているというか、なぜこういう結果になったのか現実を受け止められない感じがあった。非常に悔しさがあるというか……、今は次に向かうというよりは、敗戦をうまく受け止められない感じがある」

 仙台時代にリーグ戦70試合で6ゴールだった男が、今季浦和に加入するとリーグ32試合で13ゴール。チーム内での得点王になった。ゴール前に入り込んでラストパスに合わせる「ワンタッチ・ゴール」は代名詞となり、日本代表に呼ばれるまでになった。

 GK西川や阿部と柏木の2ボランチなど、今季の浦和には多くのヒーローがいる。それでも、前線のMVPを決めるならば間違いなくこの背番号19・武藤雄樹だろう。

 それだけに、自身の最も得意な形で勝利を決められなかったのだから、こんな厳しい現実はない。サッカーの奥深さや難しさと言えばそれまでだが、雄たけびを上げるG大阪の東口と、立ち尽くす浦和の武藤。勝者と敗者を分ける残酷なコントラストが、今季から復活したチャンピオンシップ第1章に刻まれた。


取材・文:轡田哲朗
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