そして迎えた選手権1回戦。右サイドハーフとしてスタメン出場をした安斎は、５バックを敷いてきた相手に対して、前半からインサイドハーフ気味にポジションをとって、右サイドバックの鈴木大の攻撃力を引き出していく。中央でボールを受けてパスを捌き、鈴木虎太郎と網代陽勇の縦関係の２トップをサポート。前半21分には右インサイドで仕掛けて、ポストプレーに入った鈴木虎とのワンツーで抜け出すと、鮮やかなファーストタッチでＤＦを置き去りにし、エリア深くからマイナスの折り返しでチャンスを作り出した。

　40分には右サイドのエンドラインぎりぎりのところで股抜きから相手を交わしてペナルティーエリア内に侵入。後半４分には右からカットインを仕掛けてファウルを誘い、FKを獲得した。結果としてゴールには絡めず、後半32分に交代を告げられたが、右サイドで相手に脅威を与え続けた。

「目に見える結果が出なかったことは本当に悔しい。もっとクロスを正確にやらないと、縦突破をいくら仕掛けても意味がないと思うので、そこは自分の課題として改善していきたいです」

　試合後、反省を口にしたが、彼の右サイドでのプレーは間違いなくチームの攻撃のキーポイントとなっている。
 

「次の試合でも出番があったら自分から積極的に仕掛けて、ペナルティーボックス内にどんどん侵入していきたいです」

　大会前は帝京長岡戦だけではなく、練習試合でも複数の試合でPKを獲得しているという。それだけ安藤の突破は相手にとって厄介なのだろう。２回戦以降では、結果に直結するプレーが期待される。

取材・文●安藤隆人（サッカージャーナリスト）

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