偉大なエースの壁を越えなければ、レギュラーの座は掴めない。
浅野がゴールで勝利を呼び込む試合が多いのは今季の特長だ。得点を挙げた7試合の勝率は100パーセント。決勝弾こそ先述したFC東京戦のみだが、第2ステージでは19戦無敗だった浦和に土をつける立役者になり、山形戦や清水戦でも相手に押し込まれる苦しい時間帯に追加点を奪った。
日頃から浅野を弟のように可愛がる水本も「良いところで決めますよね」と舌を巻き、自陣から約70メートルを独走して決めた山形戦の一撃は「若き日のマイケル・オーウェンを彷彿させる」と、9月度の月間ベストゴールに選ばれた。
「ふた桁得点」「優勝に貢献する」
開幕前に掲げた目標を、浅野は射程圏内に捉えている。しかし、それに近づいている実感はあっても、満足はしていない。スーパーサブの地位を確立したものの、レギュラーの座を手にしたわけではないからだ。
「プロの難しさを味わった1、2年目に比べれば、成長できている実感はあります。でも、自分が狙っているのはスタメンで試合に出て、チームの勝利に貢献すること。まだ全然満足のいくレベルじゃない」
そのためには、佐藤という偉大なエースの壁を越えなければならない。
「いずれは(佐藤)寿人さんを超えたい。向上心を忘れず、その背中を追いかけながら自分も負けないようにやっています。次のステージに行くために今があると思うし、与えられた役割を100パーセント果たせるようになって初めて階段を上がる権利を得られる。まだ好調を維持する力がないので、自分のすべてを出し切るだけです」
U-22代表にも名を連ねる浅野は、来年1月のリオ五輪アジア最終予選も意識している。世界行きは長年の夢だけに最終予選のメンバー選考は気にかかるが、まずは広島でのパフォーマンスに集中すると話す。
「Jのシーズンが終わった時に後悔はないと胸を張れる1年にできていれば、それが自信となって最終予選のプレーに表われると思います。そのためにも、まずは広島で100パーセントの力を出し切る。自分のなかで1試合・1得点は最低限の仕事としてやっていきたいし、まずはふた桁ゴールを達成して、それを通過点に優勝に貢献したい。最後はやっぱりチーム全員で笑って終わりたいですね」
チャンピオンシップのファイナルが行なわれる12月に浅野の弾ける笑顔が見られた時、〝広島の宝〞はまたひとつ理想への階段を上るだろう。
文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)
日頃から浅野を弟のように可愛がる水本も「良いところで決めますよね」と舌を巻き、自陣から約70メートルを独走して決めた山形戦の一撃は「若き日のマイケル・オーウェンを彷彿させる」と、9月度の月間ベストゴールに選ばれた。
「ふた桁得点」「優勝に貢献する」
開幕前に掲げた目標を、浅野は射程圏内に捉えている。しかし、それに近づいている実感はあっても、満足はしていない。スーパーサブの地位を確立したものの、レギュラーの座を手にしたわけではないからだ。
「プロの難しさを味わった1、2年目に比べれば、成長できている実感はあります。でも、自分が狙っているのはスタメンで試合に出て、チームの勝利に貢献すること。まだ全然満足のいくレベルじゃない」
そのためには、佐藤という偉大なエースの壁を越えなければならない。
「いずれは(佐藤)寿人さんを超えたい。向上心を忘れず、その背中を追いかけながら自分も負けないようにやっています。次のステージに行くために今があると思うし、与えられた役割を100パーセント果たせるようになって初めて階段を上がる権利を得られる。まだ好調を維持する力がないので、自分のすべてを出し切るだけです」
U-22代表にも名を連ねる浅野は、来年1月のリオ五輪アジア最終予選も意識している。世界行きは長年の夢だけに最終予選のメンバー選考は気にかかるが、まずは広島でのパフォーマンスに集中すると話す。
「Jのシーズンが終わった時に後悔はないと胸を張れる1年にできていれば、それが自信となって最終予選のプレーに表われると思います。そのためにも、まずは広島で100パーセントの力を出し切る。自分のなかで1試合・1得点は最低限の仕事としてやっていきたいし、まずはふた桁ゴールを達成して、それを通過点に優勝に貢献したい。最後はやっぱりチーム全員で笑って終わりたいですね」
チャンピオンシップのファイナルが行なわれる12月に浅野の弾ける笑顔が見られた時、〝広島の宝〞はまたひとつ理想への階段を上るだろう。
文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)